ロッテ・上田希由翔

【球界ここだけの話】人生の分岐点となるプロ野球ドラフト会議。新たに加入する選手が決まれば、ルーキーと呼ばれる1年目を終えた選手もいる。昨年、ロッテに明大からドラフト1位で入団した上田希由翔内野手（23）は、けがの影響もあって21試合の出場で、打率・259で終えた。 【写真】「戦国武将のポーズ」で旗を振る上田希由翔 「悔しさというか…。三塁のポジションだったり、自分が守っているところで出場している選手は打ってほしくないなとか、そういう気持ちでずっと見てしまっていた。（1軍にいられなかったのは）自分の責任なので、もっとこうしておけばよかったなというのが多い。そういう後悔の方が多い」 紆余（うよ）曲折の1年だった。開幕直後に1軍昇格を果たすと、4月4日のソフトバンク戦でプロ初安打をマーク。上々のデビューを飾ったが、その後は追い込まれてからの変化球への対応などに苦戦した。一度、2軍で打撃を見直し、6月中旬に再昇格を果たすと6月16日の中日戦では明大の先輩である柳から2安打を記録し、プロ初のお立ち台に上がった。だが7月2日の試合で大学時代から抱えていた右脚のけがが再発して離脱。そのまま1軍に戻ることなくシーズンを終えた。 「壁を感じる前に終わった。そこを考えるまでもなく自分のせいですけど、けがで離脱してしまった。自分の中ではビギナーズラックに近い感じで（1軍では）うまくポンポンと行っちゃった感じがある」。8月に2軍で実戦復帰を果たしたが「完治せずにずっとやっていた」とできる範囲で制御しながらのプレーが続いていた。 そのため秋季教育リーグ「みやざき・フェニックスリーグ」の参加メンバーに入っていたが、早めに帰京。念のため、けがの具合について診断に行き「医者からオッケーはもらった。ここから不安を抱えることなくできるかなと思う。しっかりと全力でできる」と明かした。22日からはZOZOマリンでの秋季練習に合流して、チームの統一課題である逆方向への打撃や守備力アップに向けて、全体練習後も居残りでノックを受けるなど精力的に動いている。 メインのポジションである三塁手には中村奨や安田がおり、定位置争いはし烈となる。「1年間戦う体力や、コンディショニングの調整の仕方はけがもしましたが、1年を通してみれたところはあった。（来季は）開幕1軍でスタメンで行けるのがベストですけど、1年を通して戦力になれるようにしたい」。あっという間のルーキーイヤーを終え、2年目の進化をみせる。（森祥太郎）