「デジタルの時代だからこそ、“感性”が重要」…「東京スポーツ」平鍋幸治社長が語る、「ネット時代に守りたい“東スポ文化”」とは
東スポテイストは壊せない
日刊ゲンダイの寺田社長は、「昔のように午前中の発生ニュースを伝える夕刊紙の役割は終わっている」と言っていた。夕刊紙という概念そのものが過去の遺物と言ってもいい。そういう時代に、東スポの平鍋社長はどのような未来図を描いているのか。 「いずれは朝刊になるんじゃないですか。コロナのおかげで、サラリーマンの生活スタイルがガラリと変わったでしょう。紙しかなかった昔は、サラリーマンは朝から会社に行き、仕事帰りに酒をあおって、電車に揺られながら夕刊紙を読んでいた。それがネットの普及もあって、リモートでも仕事ができるようになり、朝刊が昔のような朝刊としての役割を果たさなくなってる。かつてのような“夕刊紙文化”ももうなくなってるんですよ。そういう時代だからこそ、東スポという文化を守っていかなきゃいけない。朝出そうが昼出そうが、夕方出そうが夜出そうが、東スポは東スポなんです。この東スポテイストは絶対に壊せない。朝からUFOや宇宙人がやってくるような新聞があってもいいでしょう。ゲンダイさんのあのテイストも、朝からああいう新聞が来たら面白いと思いますよ(笑)」 夕刊紙は死すとも、東スポ、ゲンダイは死せず。 【前編】では、大成功を収めた「東スポ餃子」の誕生秘話を語っている。
赤坂英一(あかさか・えいいち) 1963年、広島県出身。法政大卒。「失われた甲子園」(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他の著書に「すごい! 広島カープ」「2番打者論」「プロ野球コンバート論」(すべてPHP研究所)など。日本文藝家協会会員。 デイリー新潮編集部
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