価値観を押しつけて「怒り」をばらまいている…周囲と衝突を繰り返す人がよく使う「2文字の言葉」
■「他人の怒り」からは距離を置く 【澤円】ここまでは自分の怒りについてお聞きしてきましたが、会社で誰かが怒られているのを目にしたり、悪口を聞いて嫌な気持ちになったりするなど、他人の怒りに巻き込まれてしまうケースもあります。そういう状況にはどう対処するのがいいでしょう? 【戸田久実】物理的距離を取るということですね。「この空間にいたら、自分もイライラしてしまう」「ストレスを感じてしまう」ということなら、コーヒーを淹れてくるとかトイレに行くなどしてその場を離れるのです。そうすれば、自分のなかで膨らみかけていたイライラやストレスをリセットすることができます。わたしの場合、心のなかで「実況中継」をしますね。 【澤円】怒っている人の状況を? 「徐々に顔が赤くなってまいりました!」といった感じですか? 【戸田久実】そうです。その状況から心理的に距離を取ることができて、他人の怒りに巻き込まれなくなります。あたりまえの話ですが、他人の言動や思考は絶対にコントロールできませんから、物理的であれ心理的であれ、距離を取るという考え方が有効です。 【澤円】自分の怒りについては点数をつけて6秒やり過ごし、他人の怒りとは距離を取る――。怒りとうまくつき合っていける気がしてきました。 ---------- 戸田 久実(とだ・くみ) アドット・コミュニケーション代表 日本アンガーマネジメント協会理事。立教大学文学部卒業後、服部セイコー(現 セイコーホールディングス株式会社)にて営業、その後音楽業界企業にて社長秘書を経て2008年にアドット・コミュニケーションを設立。研修講師として民間企業、官公庁の研修・講演の講師の仕事を歴任する。著書に『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』など。 ---------- ---------- 澤 円(さわ・まどか) 圓窓 代表取締役 1969年生まれ。立教大学経済学部卒業後、生命保険会社のIT子会社を経て、1997年にマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。情報共有系コンサルタント、プリセールスSE、競合対策専門営業チームマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部長などを歴任。2019年より現職。著書に、『外資系エリートのシンプルな伝え方』(KADOKAWA)、『マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1 プレゼン術』(ダイヤモンド社)、伊藤羊一氏との共著『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)などがある。 Twitter:madoka510 Facebook:Madoka Sawa ----------
アドット・コミュニケーション代表 戸田 久実、圓窓 代表取締役 澤 円 構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム) 文=清家茂樹