不貞相手への慰謝料請求、「サレ」た配偶者の利益になっているか…金額相場は〈弁護士アンケート〉
●「現状のままで仕方がない」「不倫で大騒ぎする昨今の社会が気持ち悪い」
最後に、今回のテーマに関する考えを任意で求めた。フリーコメントの一部を紹介する。 「理論的には不貞相手に対する請求は認めるべきではないと思うが、実際には、当事者にとって必要な請求のようであるので、現状のままで仕方がないと思う」 「今よりも高額にして、不貞自体に否定的な社会とするか、あるいは不貞をした配偶者の離婚慰謝料のみにするか」 「離婚をされた妻が経済的に困難な状況となる現状では認めるべき。離婚後、養育費を踏み倒す男性も多く、シングルマザーの経済状況は厳しい。社会状況が変化して女性の所得が向上すれば不要としてもいい」 「この問題はとても難しい。総合的な解決は永久的に無理だと思う」 「慰謝料の相場額を上げないと、探偵の調査費用で赤字になり、被害者側が泣き寝入りしかねない」 「不貞行為に対する社会的な批判が強い現状からして、慰謝料請求できないとする考えは社会的な理解を得られないのではないか。慰謝料額も、これだけ不倫が叩かれる世の中なのであるから、もっと増額して行くことが相当と思われる」 「不貞相手への不貞慰謝料請求が原則として法的に成立するという実務は少なくとも不貞の関係者(最低でも3名)にも弁護士を除いた他の人々(国民)にとっても良いことはなく、コストの無駄遣いだと考えている。理論的にも問題多いのこの実務慣行は不貞相手への離婚慰謝料を否定した2019年最判が出たからには早急に無くなるべきである」 「配偶者に対する慰謝料請求はともかく、不貞の相手方に対する慰謝料請求は認めるべきではない。理由は、不貞の相手方に対する慰謝料請求を認めたところで夫婦間の愛情関係がより良く保たれるわけではないからである」 「不倫で大騒ぎする昨今の社会が気持ち悪い。人を好きになるという根源的欲求を婚姻で縛ることの正当性を考えてみてもいいと思う」