不貞相手への慰謝料請求、「サレ」た配偶者の利益になっているか…金額相場は〈弁護士アンケート〉
●慰謝料請求認めるべき177人、認めるべきでない58人
不貞の相手方に対する慰謝料請求を認めるべきかを聞いた。 「認めるべき」 177人(63.2%) 「認めるべきでない」 58人(20.7%) 「どちらとも言えない」 45人(16.1%) 任意で考えも聞いている。一部のフリーコメントを紹介する。 【認めるべき】 「性的自由を尊重すべきなので認めるべきでないという意見が傾聴に値すると思っているが、婚姻という契約の効果としては損害賠償請求は維持すべき」 「婚姻関係を法律上保護する以上、その破綻の原因となりうる不貞行為について、共同不法行為が成立するのは当然だと思う」 「消極的な理由。認めないと私刑が横行して社会が大変なことになる」 【認めるべきでない】 「婚姻外の第三者は、自由恋愛の当事者に過ぎない。特に著名人の場合、社会的非難が過剰である」 「結婚の当事者ではない人が、他人の結婚に対して責任があるのはおかしいと考えるから」 「貞操義務を負っているのは配偶者なので、配偶者にのみ責任を問えば良い」
●慰謝料請求は「依頼人」にとって真の利益となっているか
不貞の相手方に対する慰謝料請求が、「依頼人」にとって真の利益となっているかと聞いた。 「依頼人の利益になっている」 158人(56.4%) 「どちらとも言えない」 94人(33.6%) 「依頼人の利益になっていない」28人(10.0%) 任意で考えも聞いている。一部の回答を紹介する。 【利益になっている】 「法的に認められた権利であり、金銭支払いにより「被害者―加害者」構造が顕在化、明確化するという意味がある」 「日本の法律では自力救済や報復が認められていない以上、金銭請求ができて然るべきであるから」 【利益になっていない】 「依頼者が慰謝料に固執するものの、実際の離婚後の生活維持のためには、金銭的には不十分である。慰謝料以外の生活保持の方法を考えるべき」 「慰謝料額そのものが低く、『利益』としては『裁判を起こして溜飲を下げる』にとどまると思われ、そのために訴訟すべきではない」