小池都知事定例会見12月16日(全文1)東京五輪の運営権を民間企業に委ねる
五輪後の有明アリーナの活用、官から民への視点について
それから2つ目が、これまで今、有明アリーナのお話もさせていただきましたけれども、コストという感覚。いくら掛かるんだ。エレベーター、これ、コストの関係からやめてしまおうという、これはただただお金を安くするということでありますけれども、しかしながら、パラリンピックなどを考えますと、必要なエレベーターであるとか、エスカレーターであるとか、そういったことはむしろ、これは投資に当たるということでございます。 そして、もう1つの観点が、ここが重要でございまして、官から民へ、でございます。私は国立なんとかとか、都立なんとかって結構、皆さんそういった名称が付くと、なんとなくありがたみを感じておられる方がいらっしゃるとは思いますけれど、これからはやはり民間のお金をもっともっと生かして、また、民間の発想が必要ということから、このような形で官から民へと、このように変えていきたいと思います。 で、例えば1964年大会のレガシーとすれば、駒沢のオリンピック公園が残りましたように、今回のこの有明アリーナを核といたしまして、エリア全体で考えて、そして、この全体を、例えば有明レガシーエリアというふうに命名をいたしまして、ここにオリンピック東京2020大会のレガシーをぐっと詰め込んだ、そういう地域といたしまして、その上で、そのほかのスポーツイベント、これらをここに大会後も集積していこうと。 例えば青海のスポーツクライミングがありますね。5人制のサッカーなどもございます。こういったことなども、大会終了後はこちらのほうに移し込んでいくということによって、ここの全体の地域がまさしくスポーツと、それからイベントの地に変わってくるということでございます。で、さらに加えますと、はい、有明の体操競技場がございます。これは、大会後は展示場としても有効に活用をいたしまして、ビジネス機会の創出ということにつなげて、まさしく投資になるわけでございます。 それから同じく大会後には先ほど申し上げましたような、スポーツクライミングなどの競技会場を移設いたしましてリユースするということでございまして、さらには、こちらは、これはまた別途進んでいた計画でございますが、そこのパッチワークのような部分を、もっとビジョンでもって一体化をさせて、そして有明レガシーエリアとしていく。 例えば、ロンドン大会は東ロンドンの、あれはなんて言ったかな。シェフィールドエリアというのがあって、ちょっと名称を忘れましたけれども、そこが結局、このオリンピックを機に会場をそこに集約することによって、名前も変えて、クイーン・エリザベス・パークとしたわけでございます。まさしくそういった考え方で、私はこの地域をむしろスポーツ、それから音楽などのイベントも可能だと思います。そして、それについてはコンセッション方式で行いますので、いろいろな業界の方々が、うちがやるよというそういう方々、手を上げていただけるようにしていきたいということでございます。 これによって、この地域の価値をうんと上げていくということで、官から民への視点でございますけれども、民間の創意工夫を最大限に生かしていくということから、運営権を民間の事業者に委ねるというコンセッション方式、この導入に向けまして、具体的な検討を始めたところでございます。ちなみにコンセッション方式っていうのは、すでに日本の各地で行われている手法でもございますけれども、実は東京がこのコンセッション方式を取り入れるのは初めてのことでございます。よって、これも大きな新しいページを、東京の新しいページを開くことになるのではないかと、このように思います。 で、有明アリーナの周辺エリアのコンセプトをこうやって明らかにすることによって、この地域にほかのさまざまなスポーツ、イベントというふうに私は想定をいたしておりますけれども、これらの地域にわれこそはという方々にこれから手を上げていただいて、この地域、例えば大昔から考えますと、いろんな開発が行われてきました。世界都市博の話もございました。いろんな流れがありましたけれども、今回、このオリンピック2020年大会、これを契機としてこの地域をさらに活性化していこうと、あらためてコンセプトを明確にして、そして進めていこうということでございます。