試験対策の負担や時期も要因に…学生売り手市場で進む『公務員離れ』“SPI”での採用枠設ける自治体も
人手不足や少子化の影響で、大学生の就職活動は売り手市場が続いています。地方公務員の受験者数は10年間で3分の2まで落ち込んでいて、採用時期の拡大や試験制度を見直す自治体もあります。 【動画で見る】試験対策の負担や時期も要因に…学生売り手市場で進む『公務員離れ』“SPI”での採用枠設ける自治体も
■10年で受験者数が約3割減少…愛知県豊橋市で公務員志望の学生集め座談会
愛知県の豊橋市役所では2025年1月6日、公務員を志望する大学生と若手職員の座談会が開かれました。 豊橋市の職員: 「すごく働きやすいなと思います。お休みがすごく取りやすい環境なので。波は課によって様々だと思いますけど、基本的に定時で帰れます」 大学3年生: 「全国転勤とかなくて、固定の地域に対して貢献できるというのがすごく魅力的」
豊橋市では2025年4月に50人の事務職を採用する予定ですが、受験者数はこの10年間でおよそ3割減少し、危機感を抱いています。 豊橋市総務部人事課の担当者: 「採用試験の時期が年々早くなってきていて、競争が激しくなっているのかなと。特に技術系の学生さんは、愛知県はメーカーさんがとてもたくさんあって、給与面や待遇でも、おそらく条件が自治体より良いのかなというところで、そちらにいってしまう方が多いのかなと」
■減少続く地方公務員の受験者数 要因に「採用時期」や「試験対策の負担」
労働現場の人手不足や少子化などで、大学生の就職活動は売り手市場が続いています。 地方公務員試験の受験者数は2023年度、40万人を割り込み、10年前のおよそ3分の2に減少しました。
その要因の1つが「採用時期」です。公務員試験は主に4月から7月に行われますが、民間企業の採用が早まり、多くの学生がその前に内々定を手にしているといいます。
また、公務員試験の対策が負担となるため、民間を選ぶという声もありました。 大学3年生: 「自分の大学の友達は、勉強が面倒くさいという部分と給料の面で、民間企業を選びがちな人が多いです。公務員試験の対策をするのが大変だと感じる人が多いと思います」 名古屋市では従来の試験に加え、2025年度から民間企業で多く使われる適性検査「SPI」による採用枠を設けます。