「1日たった15分」で成績トップに! 算数が得意な子どもに育てるために押さえるべきポイント
私たちが全国トップレベルのRISU受講生の学習ビッグデータを分析したところ、算数の1日の平均勉強時間が約15分ということが判明しました。 「え? たったそれだけ?」と思われるかもしれませんね。たしかに短いのですが、この15分にはいくつかの条件がついています。それは─トップレベルの子どもは、毎日ほぼ同じ時間帯に学習に取り組んでいたのです。 すなわち、学習リズムが、ひいては、起床・勉強・食事・就寝などの生活リズムが整っているのですね。そして、整った生活リズムの中で、多くの子どもが安定して9時間以上の睡眠をとっていました。 考えてみれば当然です。学習効率を左右するのは脳のコンディションです。子どもが勉強に集中できる良好な脳のコンディションは、規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとることで得られます。 実際、先のアメリカ国立睡眠財団は「しっかり睡眠をとっている生徒は、睡眠時間が9時間以下の生徒よりも成績がよくなる」という研究結果を報告しています。これは、子どもが朝6時30分に起きるなら、毎日20時~21時ごろには寝させないといけないということです。
親子で生活のリズムを整えよう
「夜に勉強をさせるのはNG! 「勉強好きな子ども」に育てるたった1つの方法」の記事でもお話ししましたが、RISUでは受講生に「朝学習」を推奨しています。起きたばかりで心も体もすっきりしている朝の方が夜よりも学習効率がよく、朝学習で脳を目覚めさせれば日中の活動もスムーズになり一石二鳥だからです。 しかし、この朝学習が十分に効果を発揮するためには、普段から規則正しい生活を送り、前の晩に十分な睡眠をとっていることが大前提となります。 睡眠不足で十分に疲労から回復しきっていない脳で勉強に取り組んでも、スムーズに進みません。進まないのでやる気が出ない。やる気が出ないので勉強をやめてしまう。そんな負の連鎖が起きてしまいます。 また、困難な課題に直面したときも、眠気でフラフラしているような脳では、「乗り越え力」を発揮できません。「解けなかった」という嫌な思いを持ち越してしまうと、子どもの勉強へのモチベーションも下がってきます。 子どもの脳のコンディションを良好に保つためには、親御さんがサポートして、生活リズム全体を整えてあげなくてはなりません。そのためには、親御さん自身の生活リズムの管理も欠かせません。 コロナ禍を機にリモートワークを導入する企業も増え、運動不足で眠れなかったり、だらけて夜更かしをしてしまったりなど、大人でも生活リズムが乱れている人が多いようです。まずは親御さんが率先して規則正しい生活を送ることで、子どもに健康的な生活リズムを身につけさせましょう。 親子でしっかりと生活のリズムをつくり、親は子どもの体調やそれと連動するメンタルを整えてあげつつ、要所要所で声をかける。全国トップレベルの子どもの親御さんは、それができています。 脳のコンディションが整っていれば、小学生の算数は1日15分の規則正しい勉強で全国トップレベルにすることができます。30億件のビッグデータが、それを示しているのです。 今回紹介したのはこちら! 『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一の子ども30人を生み出した究極の勉強法』 今木智隆 (著)/文響社 ▼著者プロフィール▼ 今木智隆 RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザ行動調査・デジタルマーケティング領域専門特化型コンサルティングファームのビービット入社。金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。日本国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいと、アフタースクールなどからのオファーが殺到している。