勝負の4年目を迎えるF1ドライバー角田裕毅と芸能界随一のF1ファン・堂本光一のスペシャル対談!「今年はトップチームにも伝わるような走りをしたい」
『週刊プレイボーイ』本誌での連載は最終回となる「堂本光一 コンマ一秒の恍惚」。そこでゲストとしてアルファタウリ・ホンダから参戦する日本人F1ドライバー、角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手を招き、スペシャル対談を行なった。 【写真】角田選手からの意外すぎる質問に堂本光一もタジタジ 昨シーズンの最終戦アブダビGPでは一時トップを周回し、8位入賞を飾った角田選手。そして今シーズンは、姉妹関係にある王者レッドブルとの結びつきが強化されることで、チームの飛躍が期待されている。 F1参戦4年目を迎える角田選手と、芸能界随一のF1ファン・堂本光一が、お互いの仕事への取り組み方や2024年の抱負を語り合った! * * * ■毎戦100パーセント出し切る! 明確な目標があった 堂本 角田選手にとって参戦3シーズン目の2023年は、ニツク・デ・フリースがチームメイトとなり開幕を迎えました。デ・フリースはF1直下のF2選手権やフォーミュラEでチャンピオンを獲得し、評価が高かった。角田選手にとっては、真価が問われるシーズンになると思っていました。 角田 デ・フリース選手は前年にウイリアムズからF1にスポット参戦して、いきなりポイントを取りました(9位入賞)。前評判がとても高く、周りはすごく騒いでいましたが、僕自身は負ける気はしなかったです。コース上で勝てばいいんだと思っていました。 堂本 プレッシャーを前向きにとらえていたんですね。 角田 そうです。F1は、あるレースでうまくいかなかったりすると、世界中のファンやメディアから叩かれます。でも次のレースで良い走りをすると、評価が百八十度変わりもする。そういうアップダウンのある世界なので、「こんなに騒いでいいの? 僕がデ・フリース選手に勝ったら、どうするのかな」と思いながら戦っていました。 堂本 F1はチームメイトがいて、毎戦、白黒がつく厳しい世界です。そんな中、角田選手は前半戦、クルマの能力をフルに引き出し、常にチームメイトのデ・フリースを上回る速さを見せてくれました。 でもシーズン途中にデ・フリースが解雇され、後半戦からF1で優勝経験が8回あるダニエル・リカルドが加入しました。試練を乗り越えたら、また新たな試練が待っていたような感じだったと思います。どんな気持ちでしたか? 角田 チームメイトが代わったからといって僕の気持ちに変化はありませんでした。というのも、自分の力を毎戦100パーセント出し切るという明確な目標があったからです。過去2年間、シーズンの終わりに「すべてのレースで100パーセントの力を出し切れたか?」と自分自身に問いかけたときに、出せていなかったレースが正直、何戦かありました。そういう戦い方をしていると後悔するし、走りにも表れます。 昨年は常に100パーセントの走りをしてコンスタントに結果を出し、レッドブルだけでなく、ほかのチームからの評価も上げることを目指していました。だからチームメイトが代わってもやることは同じです。リカルド選手の加入は逆にチャンスだと思っていました。速くて評価が高いリカルド選手を倒すことができれば、僕自身の評価がさらに上がります。いい機会だと思ってレースに臨んでいました。 堂本 ファンやメディアからは臆測を含めてさまざまな声が上がります。でも角田選手には明確な目標があって、それを達成するために戦っていたから、周りに左右されることはなかった。23年の角田選手はご自身が掲げた目標を間違いなくクリアしていたと思います。 角田 昨シーズン、レッドブルは別格でしたけど、それ以外は大接戦でした。予選では中団グループのタイム差はほとんどなくて、マシンの調子が悪かったとしても1周をうまくまとめられればポジションが2、3番手変わります。実際、最終戦のアブダビの予選では、ミラクルで6番手を獲得できました。 一年を通して見れば、ミスは何度かありましたが、コンスタントにクルマのパフォーマンスを引き出し、高いモチベーションを保って戦えました。 堂本 中団グループの接戦は、ファンとしては見ていて本当に楽しかった。レッドブルは異次元でしたから、決勝中に優勝争いがほぼ決まってしまうと、いつも角田選手のラップタイムをF1のアプリで追いかけながら応援していました。 角田 ありがとうございます!