音楽事務所のトップでもあるSKY-HIが語る、若手に支持される上司の極意、「ほどよくナメられることが大事」の真意
倉沢:今、従業員は何人くらいですか? SKY-HI:80人なので、あと倍弱ぐらいまではできると思います。 ■日本社会を反映した組織にしたい 倉沢:例えばBE:FIRSTのチーフマネージャーの方は27歳と相当若いです。要職はどんどん若手に任せているのですか。 SKY-HI:濃淡はあります。本当は会社の男女比と年齢の構成を、まず日本でいいので(社会を)反映したものにしたい。やはり社会と密接に関わる組織なので。例えば、私の母親は自分のライブがあれば地方まで行くし、BE:FIRSTのワールドツアーのチケット取っちゃおうかな、と言っている。生まれて物心ついた時から亡くなってしまう前日まですべての人が(エンタメの)対象なんです。
だから社内でベテランのほうが意見しづらい空気にもしたくないし、当然若手が意見しづらい空気にはしちゃいけない。ただ若手中心にしすぎるとそれが生まれるのも嫌なんですよね。 2024年、今期のスローガンが「To Be Professional」で、もう1回緊張感を取り戻そうというフェーズではあるのですが、それがある程度のところまで行ったら、世代を超えた知能やアイデア交換など、社内のコミュニケーションが生まれるようにしたい。
倉沢:そういう空気を醸成するために、トップとしてしていることは。 SKY-HI:ほどよくナメられるっていうことじゃないですかね。なんかこの人だったら大丈夫そうだなって、思える状態になっているとーー権力という意味で自分に一番傾いているわけなのでそこに対するハードルが低くなればなるほどーー年下の人であっても、すごいベテランであっても(自分に)行きやすくなる。 倉沢:上司という立場の人には若い部下とコミュニケーションが取りにくいという悩みを抱えている人もいますが、若手とのコミュニケーションで心掛けていることはありますか。
SKY-HI:綺麗なこととシビアなことがあるのですが、綺麗なことは「無邪気さ」みたいなやつをちゃんと内包しておく必要は絶対にあるかなと思う。 倉沢:無邪気とは自分が率先して楽しんでいくということですか。 SKY-HI:若手にあの人楽しそうだからなんか一緒にやりたいなと思わせること。いつも明るく笑顔で、とかそういうことではなく、楽しそうっていうものに人は惹かれやすいと思うので、根本では大事かなと思っています。