音楽事務所のトップでもあるSKY-HIが語る、若手に支持される上司の極意、「ほどよくナメられることが大事」の真意
もう1つは、男性のグループを作って、男性のソロアーティストを抱えてっていう組織になっていくと、どうしても男性の優位性が強くなってしまうというのはすごい気にしていて。男性しかいない社会には男性しかいない空気が生まれるし、女性しかいない社会には女性しかいない空気が生まれると思う。 どちらがいい悪いではなく、すべての価値観を内包できることが現代のすべての企業に必要というか、エンターテインメント企業はすべての人に触れる、究極のこというと80億人に届けるためにあると思うので、ありとあらゆるジェンダー、ありとあらゆるセクシャリティ、ありとあらゆる思想の人がいるほうが組織的にはいいと思っていました。
双方のタイミングが噛み合ったので、これは今やるべきなんだな、と感じてアクセルを踏んだという感じです。 ■自分の哲学が会社に浸透していっている 倉沢:さまざまなプロジェクトが進行する中で、SKY-HIさんご自身はどれくらい各プロジェクトに関与されているんですか。 SKY-HI:難しいですよね。満遍なくタッチするっていうのが根本かな。でも濃淡はある。例えば「No No Girls」であれば、クリエイティブにはタッチしないので、マネジメントをやっている。BE:FIRSTは逆にプロデューシングにコミットする。
(新たなボーイズグループのオーディション「THE LAST PIECE」で)3つ目のグループが生まれる頃には、BE:FIRSTはもう結成から丸4年が経っているという状況になるので関わり方としては濃淡の淡の部分が増えてたとしても安心できることも増えるのではないかと思います。 会社が(自分の)やり方をすごくわかってくれているし、BE:FIRSTのカラーも統一できている。BMSGの経営についても自分の哲学が浸透していると感じるので、(新しいグループに)コミットできるかな、と。
ただ新しいグループが生まれる前に、今一度、(所属グループの)MAZZELにフルコミットしたくて、今プロデューシングに入っています。一方でソロアーティストも増えているのですが、起業時から大変さはあまり変わらないんですよね。0人から5人に浸透させる作業と、5人から20人に浸透させる作業というのは。 倉沢:要するに「SKY-HIイズム」みたいなものが従業員に浸透している。 SKY-HI:浸透していっているので、そこを見誤らないように。多分社員150人くらいの段階までは、わかるじゃないですか、自分の器って。150人くらいのリーダーになるのは可能だと思います。