「妹にコンプレックスがあった」幼少期は心を閉ざしていた誠子が高3の冬に突然「大学は行かない」と親に告げ芸人として舞台に立つまで
── 後輩の活躍で焦りを感じることはありましたか? 誠子さん:あんまりないですね。私はお笑いが大好きなので、おもしろいネタを見てワクワクするんです。自分達のネタとも被ってなかったし、自分達のスタイルにも自信があったので素直におもしろいなって。ただ、先輩、後輩関係なく、当時は今以上に女性の芸人が少なかった時代です。男性芸人に対して女性のお客さんが多かったので、私たちは舞台ではウケましたが、当初はお客さんと審査員からなかなか票が入らなかったんですよ。もっとたくさんの人たちに喜んでもらえるようにとネタを変えて、たとえば恋愛ネタを入れたりしたことで、女性のお客さんも徐々に増えていきましたね。
── 芸人になった時点で目指していたことはありますか? 誠子さん:私はM-1を見て漫才をやりたいと思ったので、やっぱりM-1優勝を目指しました。最高の成績を残せたのが2015年の準決勝ですね。トレンディエンジェルさんが優勝した年です。もちろん決勝を目指して優勝できなかったのは悔しいですけど、ベストを尽くしたのでとてもいいM-1人生だったと思います。 PROFILE 誠子 さん せいこ。1988年生まれ。兵庫県出身。NSC大阪校にて同期の渚と2007年「尼神インター」を結成。24年3月末にコンビを解散し、吉本興業も退所した。フリーの芸人としてライフスタイルブランド「merci(メルシー)」も設立し活躍中。
取材・文/松永怜 写真提供/誠子
松永怜