【密着】沖縄・久米島 島人と結婚し移住 公務員を辞めクラフトビールに人生をかける娘へ届ける両親の想い
東京の美術大学に通っていた陽子さんが初めて久米島にやってきたのは、大学3年の冬休み。片思いの相手を追いかけて彼が滞在していた宮古島に向かおうとしたが、一緒の場所は恥ずかしく、同じ沖縄の離島である久米島へ渡ることにしたという。するとそこで現在の夫である博人さんと出会い、意気投合。久米島で生まれ育った博人さんの誘いもあり、25歳のときに島に移住した。 現在は家事や子育てとともに、おいしいクラフトビール作りに情熱を注ぐ日々をおくる陽子さんだが、実は父もかつて清涼飲料水メーカーで働き、家族を支えてきた。そんなこともあって「“飲料に携わりたい”みたいなのが遺伝子に組み込まれていたのかもしれないですね」と話す。 娘が久米島に行くことも、公務員を辞め醸造家になったことも両親には何の相談もなかったそうで、「すべて事後報告」と父・光明さんと母・千景さんは明かす。だが、1杯のクラフトビールから始まった娘の挑戦を見て、千景さんは「自分でやるっていうのは、思い切りもなくちゃなかなかできないですよね」、光明さんも「納豆が食べられないのは残念だけど…」と笑みをこぼす。
醸造家として新たな人生を歩み始めた娘へ、両親からの届け物は―
久米島で暮らし始めてはや15年。今は「久米島を訪れた人がツムギビールを飲んだよっていう風になってほしいですね」と新たな人生を歩み始めた陽子さんへ、両親からの届け物は父が清涼飲料水メーカーで着用していた40年前の制服。母が新たにビールのアップリケを施し、父がミシンで取り付けた。父からの手紙には、やることすべてが事後報告で驚かされたことと、「陽子にもこの先、色々な困難や壁があるはずです。どうしてもダメだと思う時には“事後報告” じゃなく事前に連絡をお願いしたいです」と綴られていた。 両親の想いを受け、「そういう心境だったのか…」とハッとする陽子さん。そして「胸がいっぱいになりますね。進行形で心配をかけていることもわかりましたし、頑張らんといかんな…」と、自分に言い聞かせるように語るのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年12月1日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」