家計の負担が大きく増えています。会社員でもできる節税策を教えてください(第1回目)
2024年度以降も、「子ども・子育て支援金創設」「再エネ賦課金負担増」「電気料金の値上げ」「森林税の徴収開始」「復興特別所得税の延長」「扶養控除の縮小」「給与所得控除の見直し」など会社員の負担増がめじろ押しです。会社員は、税金の手続きは会社に任せているので、税金に対する意識が低いと思われます。 しかし、税金の課税の仕組みには節税のヒントがありますので、会社任せにせず、課税の仕組みを知り、節税に役立て、手取り額を増やしましょう。
所得税の課税の仕組み
所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。税額の計算方法は、1年間のすべての所得金額から所得控除額を差し引いた残りの金額(課税所得金額)に税率を適用します。なお、実際に納付する金額は、この税額から住宅ローン控除などの税額控除額を差し引いた金額になります。 所得は、その性質によって10種類定められています。それぞれの所得は、収入から必要経費を差し引いて求めます。 例えば、会社員の場合、給与所得金額は、給与収入から給与所得控除額を差し引いて求めます。そして、この給与所得金額から所得控除を差し引いた課税所得金額に所得税率を掛けて所得税額を算出します。 所得控除とは、控除の対象となる扶養親族が何人いるか、また病気にかかった、災害にあったなどの個人的事情を加味して税負担を調整するもので、次の15種類があります。 雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除 このような所得税の計算の仕組みから、節税するためのポイントは、所得控除と税額控除を漏れなく計上することが分かります。本記事では、工夫しだいで増額できる主な所得控除について見てみます。
ポイントは「扶養親族」「同一生計」
所得控除のなかには、自分だけではなく家族の分も控除できるものがあります。 例えば、医療費控除は「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために1年間に支払った医療費」、社会保険料控除は「納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った」場合も控除できます。 また、例えば、障害者控除は「同一生計配偶者または扶養親族が障害者のときは」とあるように、障害者である親族を扶養している方も障害者控除を受けられます。