再び「愛ある暮らし」に。49歳公務員男性「もう一生レスかと覚悟した」真っ暗闇からの生還、一部始終
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#5】前編
49歳、子ども2人。いまも「女性に対する理解度の低さ」を悔いる理由
「そもそも妻だけでなく、女性の身体と不調そのものに対する理解がまったく乏しかった。今ならそのことがよくわかるんです」 このように語ってくれたのは、千葉県在住のユウキさん(49歳・会社員)です。 ユウキさんの家庭は公務員の妻(47歳)と長女11歳、次女9歳の4人家族。結婚して14年が経ち、家庭も仕事も順調だといいます。とはいえ今から4年前はレスで夫婦関係に悩むことが多かったそうです。今回は当時の夫婦の悩み、そこからどのように前向きな人生を歩むに至ったのか、当時の心境から現在に至るまでの過程を率直に語って頂きました。
「レスになっても夫婦仲はよかった」2人だが
「レスになったのは今から7年前です。それまでは月2、3回ぐらいはセックスをしていたのですが、ある日、妻にそれとなく拒否されました。最初はあまり気にしていなかったのですが、そこから拒否されることが続いて。次第にセックスに誘うたびに断られることが嫌になり、結局、約3年間ほどレスが続きました。この期間は個人的にとても寂しさを感じていました」 夫婦関係におけるレスは決して珍しい話ではありませんが、それによって生じるストレスや不満をどのように夫婦で乗り越えるのか、これは大きな課題といえるでしょう。ユウキさんはこの困難な時期をどのように乗り越えたのでしょうか。 「レスになってから、夫婦でレスについて何度か話し合ったことがあります。その度に妻の答えは、なんとなく疲れてるからセックスは嫌だ、気分が乗らないというものでした。ただ、レスであっても夫婦仲は良いんですよね。当時も今も一緒にお風呂に入ることがあります」 レスであっても夫婦仲がよいというのは、家族としての結びつきや信頼関係があるからこそというユウキさん。 「もうね、ずっとレスの関係のままこの人生を終えるのかもしれない、それでもいいかなと、正直いって覚悟を決めつつあったんです」 ところがレス関係を解消するに至る意外なきっかけがあったようです。