FOMC参加者、緩やかな利下げ適切と認識=議事要旨
Howard Schneider [ワシントン 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が26日公表した11月6─7日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、多数の参加者は時間をかけて利下げを行うことが適切との認識を示した。 また、今後どの程度の利下げが必要かについて意見が分かれたものの、金融政策の展開について具体的な指針を控える点で見解が一致した。 多数の参加者は、景気を冷やしも過熱もしない中立金利の水準を巡る不透明感を背景に「金融政策の抑制度合いの判断が難しくなっており、徐々に抑制度合いを低下させることが適切になっている」との認識を示した。 参加者は「金融政策の決定はあらかじめ定められた道筋にあるのではなく、経済の推移と見通しへの影響次第」と指摘。「政策スタンスを調整するに当たって、委員会がこの点を明確にすることが重要」と強調した。 この会合で連邦準備理事会(FRB)は、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き下げ、4.50─4.75%とした。 会合は11月5日の米大統領選の直後に開かれたが、議事要旨は選挙結果の影響について言及していない。多数の参加者は、天候やストライキなどの要因で経済指標の変動が大きくなり、地政学的緊張も強い状況下で、政策決定が複雑になっていると指摘した。 それでもなお、一部の参加者は、インフレ率が高止まりする場合には「委員会は政策金利の引き下げを一時停止し、抑制的な水準を維持できる」と指摘。また、「労働市場が弱まったり、経済活動が停滞したりした場合」には、引き下げを加速することも可能だと述べた。 会合前に予想を上回る堅調な経済指標が発表されており、パウエル議長はFOMC後の記者会見で「注目に値する」と表現。これを受けて、金融政策が経済をそれほど抑制していないのではないかとの懸念が強まった。 パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏はリポートで、12月のFOMCで0.25%ポイントの追加利下げを行うと引き続き予想しているとし、来年はトランプ次期大統領の就任後に複雑化するとみられる政策動向に対応し、利下げペースを緩めると見込んだ。 トランプ氏は今週、就任初日にメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すと表明している。 トゥームズ氏は、FRBが慎重なペースで利下げを進め、労働市場とインフレのリスクをてんびんにかけながら1会合おきに利下げするのが基本シナリオとした。ただ、トランプ氏の経済政策構想の規模やタイミング、確実性を巡る「大きな不透明感」が金利予測に上下双方向でかなりのリスクをもたらしているとした。