イーサリアム、アップグレード「ペクトラ」を2つに分割することを確認
イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンの開発者らは19日、次の大規模アップグレード「ペクトラ(Pectra)」を2つに分割することで合意した。大規模アップグレードを扱いやすくし、バグのリスクを軽減するためだ。 アップグレードを分割することは予想されていた。開発者らは「ペクトラ」は一度にすべてをリリースするには野心的になりすぎていると述べ、バグのリスクを最小限に抑えるために2つに分割するというアイデアを浮上させていた。 ペクトラ(Pectra)は、イーサリアム史上最大のアップグレードとなる予定だったが、2分割されることで、開発者はより限定された範囲に焦点を絞ることが可能になる。以前、開発者らは2025年初頭のアップグレードを目指すと述べていたが、この目標は変わらない。2分割されたアップグレードの最初のパッケージは、2025年初頭を目指す。 コア開発者たちは、最初のパッケージに8つのイーサリア改善提案(EIP)を含めることを決定した。これには、ウォレットのユーザーエクスペリエンス改善を目的としたEIP-7702が含まれ、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が22分で書き上げたことで知られている。 続く2番目のパッケージは、今後数カ月の間に変更される可能性があるが、現時点では、EOF(EVM Object Format)と呼ばれるイーサリアム仮想マシンの変更を目的とした提案、PeerDASと呼ばれるデータ可用性サンプリングを改善し、最終的にはレイヤー2ブロックチェーンにメリットをもたらす機能の導入が含まれる可能性がある。 だが、アップグレードの範囲は今後変更される可能性がある、現時点で確定してはいない。 「ペクトラを何らかの形で分割することには合意したようだ」とオンライン会議を主導したイーサリアム財団のリサーチャー、アレックス・ストークス(Alex Stokes)氏は述べた。「その後に、次に何をするかを考えればよい」。 「皆の意見を聞いていると、新しいものを入れたくないという気持ちは理解できる。私は、やはりスコープをきわめて小さくすることに賛成だ。そうすれば、最初のフォークに続けて、2番目のフォークを迅速に実現できる可能性を最大限に高めることができる」とストークス氏は付け加えた。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:「ペクトラ(Pectra)」は、プレアデス星団(和名「すばる」)の神話に登場する7人姉妹の1人、エレクトラに一部ちなんでいる(Wikipedia、CoinDeskが修正)|原文:Ethereum Developers Confirm Plan to Split 'Pectra' Upgrade In Two
CoinDesk Japan 編集部