ドンキのフライドチキンの皮だけ弁当「そりゃ売れるわ!」と思える納得の理由
● まさかの「フライドチキンの皮だけ弁当」 「ドン・キホーテにはお客様の声を直に聞ける『マジボイス』というアプリがあります。賛否両方の意見を参考にし、改善を重ねた経緯があります。天津飯も容器にあんがたっぷり入っているため『あんがこぼれやすい』『電子レンジで中まで温まらない』といったご意見を参考に容器を2回にわたって変え、現在ではこぼれにくく温まりやすい設計になっています」 XなどSNSを中心に徐々に話題を呼ぶ偏愛めしだが、特に話題となったのが今年5月に発売された「フライドチキンの皮だけ弁当」だ。 スパイスで味付けされたたっぷりのフライドチキンの皮と白飯だけというシンプルかつインパクト十分の弁当は、発売3か月で6万食を完売する大ヒット商品に。現在でも偏愛めしの人気トップ3に入っている。 「あの弁当は開発者のメンバーの家庭での体験から生まれました。そのメンバーはフライドチキンの皮がとにかく好きで、ある時、家族分のフライドチキンの皮を先に食べてしまったそうなんです。奥さんが食べようとしたときに皮を剥がれた鶏肉だけが残っていて、メンバーはずいぶん怒られたそうです(笑) そこで『皮が好きな人のために、皮だけの弁当を作ろう』という思いから開発がスタートしました」 一方で開発には苦労もあったという。 「当初は皮だけ揚げるためパリパリになってしまい、フライドチキンの皮特有のふにゃっとした食感を再現するのには苦労しました。スパイスに関しても、我々が目指したのは某有名チェーンの味です。その味を超えることもなく、あえて独自性も出さずに同等の味をゴールとしました」
● アメリカンドッグの「カリカリ」だけ食べたい! 偏愛めしの中でも今、話題となっているのが、アメリカンドッグの根元のカリカリした部分だけをおかずに、ケチャップライスと一緒にお弁当にした「アメリカンドッグのココだけ弁当」だ。実は、この商品を開発したのは犬塚さん自身だ。 「あの弁当はアメリカンドッグの希少部位、シャトーブリアン的なものである根元をたらふく食べたいという私の偏愛から生まれました(笑) あの部分のためにアメリカンドッグを買っている方って実は多いと思うんですよ。商品開発のために、有名なコンビニチェーンのアメリカンドッグを全て食べ比べてみたのですが、ソーセージの長さや太さは各社こだわりがあったんですが、遜色ありませんでした」 フライドチキンの皮弁当よりもさらに尖った商品だが、SNSでこちらも話題となり12月1日の発売以来、売り上げは非常に好調だという。 これまで語ったようにSNSで評判になることの多い偏愛めしだが、あえて意識はしていないそうだ。 「SNS受けは全く狙っていなくて。どうしたらバズるのだろうと考えていたくらいです。SNSでは『食べておいしかった』という意見も、『フライドチキンの皮だけの弁当はちょっと手が出ない』という意見もいただきます。誰かの120点につながっているんだという喜びがありますし、偏愛めし自体の認知向上につながり『ドン・キホーテでこういった総菜を売っているんだ』という興味を持っていただけた点が非常に効果的だったと感じています」 偏愛めし販売後の昨年11月以降、定番の総菜や弁当の売り上げは右肩上がり。偏愛めしがよい広告塔になって、デリカ全体が今盛り上がっているといった状態だという。