総投資額は5兆円! TSMC熊本を超える"ラピダス誘致"で注目の「北海道株」10選
ラピダスの工場建設と経済特区指定の追い風を受ける分野は、大きく3つに分類できると宇野沢氏は言う。 「ひとつ目が半導体工場やデータセンターの建設・操業に関わる企業です。ふたつ目は、これらの企業を脇から支える役割や、国内の有力企業や取引先とのパイプラインの役割を担う企業。そして3つ目が、千歳や札幌周辺の経済を盛り上げる企業です。 ひとつ目の代表格として有望なのが、建設機械のレンタルを手がけるカナモト。同社のポイントは札幌に本社を置く地元企業であることと、熊本のTSMC工場建設においてすでに実績があることです」 同社の売上高は2000億円規模で、上場企業の中では中堅といえる。それだけに、今回の道内投資ブームが業績に与えるインパクトは大きい。 「北海道は首都圏に比べて同業他社との競争が激しくないので、価格のダンピングを行なわずに済むのも見逃せないところ。つまり利益を確保しやすく、収益が安定します。 PER(株価を1株当たり利益で割った指標で、小さいほど割安)12倍程度と株価も手頃で、まだ気づかれていない有望銘柄の筆頭格といえます」 続けて宇野沢氏から名が挙がったのは、北海道の最大手金融機関である北洋銀行だ。 「同社は道内の預金シェア、貸出金シェア共に約4割を占めるトップ銀行です。道内で新たに投資が盛り上がれば、資金面から支える同社の貸出需要が増加し、利益は拡大します。 同社の経営陣は経済特区指定を受け、半導体関連や再生可能エネルギーへの融資を拡大すると宣言。国内外の環境ビジネス投資のうち30兆~40兆円は呼び込みたいと、鼻息を荒くしています」 地域で働き生活する人が潤えば、住宅ローンや金融商品の取引も活発になる点も見逃せない。株価はPER10倍と、こちらも割安だ。 続けて、道内経済の盛り上がりを支える担い手のひとつに、宇野沢氏はファイバーゲートを指名した。 「アパートやマンション、観光施設、商業施設などのWi-Fiサービスと、通信機器の製造・販売を行なっています。札幌に本社を置く地元企業で、すでにラピダス千歳工場の建設作業員用宿舎にWi-Fiサービスを提供しています」 同社の売りは、商材である通信機器を自社で製造していること。納品先に応じてカスタマイズできるため、他社製品を仕入れて設営するライバル企業に比べ、価格競争力の点で優位に立てるのだという。 「指標を見ても、同社のROE(純利益を自己資本で割った数値で、高いほど収益力に優れている)30%は尋常ではありません。これはつまり、案件をこなせばこなすほど利益が膨れ上がることを意味します。 札幌・千歳周辺に人口が流入するにつれ、住居や商業施設向けの同社サービスの引き合いも増えるでしょう。そうして利益が激増すれば、当然株価も跳ね上がります」 このほかにも有望株はまだまだあるので、下記を参考にしてほしい。どれも株価が上昇しやすい、中小型株から宇野沢氏が厳選した銘柄だ。冬のボーナスをどの株に投じるか、考えてみるのも一興では? ★注目の北海道株リスト10選