日本株、PBR改善の波のなか、じつは大注目の「プロ厳選・高ROE銘柄5選」を実名紹介
富士製薬工業(4554)
■株価(5月24日時点終値)1477円 PBR 0.87倍 ROE(予)14.73% 最大の強みは、診断用薬やホルモン剤での高い競争力だ。特に、X線(レントゲン)造影剤でトップクラスのシェアを持つことは、同社の信頼性とブランド力を示している。女性医療領域と急性期医療領域が全体の営業利益の約8割を占めており、特に強みを持つ分野だ。 女性医療分野での製品ラインアップは、女性の社会進出や不妊治療への関心が高まる中で、ますます重要性を増している。「女性活躍社会」を縁の下で支える企業ともいってもよいだろう。不妊治療向けの生殖補助医療用では、天然型黄体ホルモン製剤「ウトロゲスタン膣用カプセル」が好調で、体外・人工受精治療が保険適用となったことが大きな追い風となっている。さらに、更年期症状治療薬市場の拡大も見込まれ、「エフメノ」が成長ドライバーとなる期待は大きい。 令和6年度の薬価改定では、売上高の約2割を占める造影剤を含む31品目の不採算品目再算定が認められた。平均販売価格の上昇により、25.9期以降は粗利益率の改善も見込めそうだ。
神戸製鋼所(5406)
■株価(5月24日時点終値)1960円 PBR 0.75倍 ROE(予)11.55% 自動車向けの売上構成比が高く、特殊鋼製品においては日本製鉄と並んで国内シェア首位を争う存在だ。鉄鋼事業における輸出比率は2割程度と低く、中国需要の減速の影響を最も受けにくいという点も強みといえるだろう。 また、高炉に依らない新世代型の製鉄法である直接還元製鉄の技術で世界シェア6割を握っている点も大きな強みだ。脱炭素化の流れを受け、製造プラント技術における同社の優位性を高めている。 2024年5月20日に発表された中期経営計画では、最終年度のROIC(投下資本利益率)目標を「6%程度を安定的に確保(好環境下では8%到達)を目指す」と掲げている。事業毎に安定的な収益が稼げる状況が整いつつあることから、安定的な株主還元の継続が期待される。株価指標面では実績PBR0.7倍台と割安な水準にあり、今後業績の安定確度が認知されてくれば、株価の水準訂正も進むと考えられる。