NASA、月周回「アルテミス2号」を2026年4月に延期–月着陸「アルテミス3号」は2027年に
米航空宇宙局(NASA)は米国時間12月5日、有人月周回ミッションの「Artemis II」(アルテミス2号)を2026年4月に、そして有人月着陸ミッション「Artemis III」(アルテミス3号)を2027年中旬に延期することを発表した。 Artemis IIは宇宙飛行士が搭乗した「Orion」宇宙船を月周回軌道に投入、Artemis IIIは宇宙飛行士を月面に降り立たせる。これまで、それぞれ2025年9月と2026年後半が予定されていた。 NASAは延期した理由について、Orionによる初の有人飛行に向けた準備を完了するためだと述べている。海外メディアのSpace.comによると、12月5日に開かれた記者会見でNASA長官のBill Nelson氏は「私たちや業界、国際パートナー、Orionが宇宙飛行士を安全に深宇宙に送り、地球に帰還させる準備ができていることを確認するために、この時間が必要なのだ」と語っている。 2022年11月に打ち上げられた「Artemis I」(アルテミス1号)で、Orionは無人の状態で月周辺を飛行し、地球に帰還した。しかし飛行後の分析で、Orionの耐熱シールドが予測以上に磨耗していたことが判明。これは宇宙飛行士を危険に晒すものではなかったものの、Artemis IIでは大気圏への再突入軌道が変更される予定だ。 関連情報NASAプレスリリースSpace.com
塚本直樹