斬新すぎる“操縦桿ステアリング”搭載のレクサス「ステアバイワイヤRZ」が新感覚! 即完売した「RZ “F SPORT Performance”」がスゴかった!【試乗記】
まるで操縦桿みたいな「斬新ステアリング」一体どうなの?
群馬県の榛名湖畔で開催された、地元のレクサスディーラーイベントによるBEV(バッテリーEV)関連のイベントで、BEV専用SUVである「RZ」のステアバイワイヤ試作車と限定100台の特別仕様車に乗ることができました。 一体どのようなモデルなのでしょうか。 【画像】超カッコいい! これがレクサスの「斬新ステアリング」です! 画像を見る(30枚以上)
まずはRZのステアバイワイヤ試作車です。車内には、円形ではなく操縦桿のようなステアリングが装着されていているのが最大の特徴。小ぶりなステアリングに合わせて、メーターまわりも変更されています。 このステアバイワイヤ試作車では操舵角が見直され、従来は半回転での150度だったところを、今回の最新版では200度に広げることで、マイルドな特性にしたとのことです。ちなみに開発の途中で180度も試したそうです。 会場の広い駐車場にスラロームやクランク、Uターンなど曲がる箇所の多い特設コースが用意されていて、まずは操舵角が標準の円形ステアリング(操舵角540度)のRZをドライブして感触をつかみ、つづけてステアバイワイヤのRZをドライブしました。 走り始めは、やはり少し違和感を覚えるものの、筆者(岡本幸一郎)は2回ステアリングを切ったらもう動きをつかむことができました。 実は、以前の操舵角150度の車両に乗ったことがあるのですが、そのときはアタマではわかっていても、1周目にはどうしてもステアリングを切りすぎてしまい、ほとんどのパイロンにリアタイヤをひっかけてしまったものですが、200度になった今回のRZはすぐに慣れることができました。 これくらいなら動きが読めて、パイロンにタッチすることなくクイックなハンドリングを存分に楽しめちゃいます。 そして、ステアリングを持ち替えることなくスラロームやUターンができるのは実に気持ちがいいものです。 バックで駐車するような状況ではより顕著で、従来の150度の車両は動きが機敏すぎてとまどったものですが、200度なら大丈夫です。切りすぎることもなく、なおかつあまり切らなくていいので操作しやすいことから、駐車枠にクルマを合わせることに集中できます。 今後は、くるまのニュース編集部の女性スタッフに運転を交代。ステアバイワイヤのRZは初めて乗ったそうですが、すぐに感覚をつかむことができたと言っていました。 また、ステアリングが小さいので圧迫感がなくて、視界が広く開けたことを真っ先に感じたようです。女性の方がそのあたりの感性が鋭いかもしれません。 開発担当者によると、レクサスオーナーは複数台を所有している方が多いので、乗り換えてもすぐになじめるように、との思いでこのようにしたとのことでしたが、まさにそうなっていました。 ただし、クイックなハンドリングを好むユーザーにも楽しんでもらえるよう、市販時には150度も選択できるようにしようかと検討しているそうです。 このステアリングには反力アクチュエーターが装着されています。これがないとオモチャみたいに軽くなってしまうところを、これによる反力でしっかりとした据わり感を作り出しているわけです。 反力だけでなく、センサーから取った路面入力から必要なものだけを伝えるようにもなっていて、たとえば砂利道でずっとガタガタしているような路面など、不快なので伝える意味がないものはシャットダウンし、路面のうねりなどの状況など必要な情報は再現して伝えるというような仕組みが採用されました。 また、既存のステアバイワイヤでは、「インターミディエイトシャフト」により万が一のときに二重でバックアップするという形で安全性を担保している例がありますが、安全性を確保しながらもシャフトを廃したことで、車両トータルでほとんど重くなっていないところもポイントです。市販されるのが楽しみです。