おみくじで“凶”…落胆しないで! 兵庫・芦屋の神社が地元と連携→“アンラッキー”を“ラッキー”に
「一年の計は元旦にあり」ということで、早速、初詣に足を運び、お参りした後、新年の運試しにと、おみくじに挑戦する人々も多いでしょう。ただし、そこで“凶”を引いてしまうと……なんとも悲しい幕開けになりがちです。そんな参拝客をフォローしようと、兵庫県芦屋市にある神社がユニークな取り組みを行っています。そのきっかけや今後への思いなどについて、宮司に話を聞きました。 【写真】“凶”が出ても…ラッキーな案内が!? 「本来、“凶”というのは悪い意味ではなく、神様からの『気をつけなさいよ! 』という災難を回避するためのサインを表しているんです。しかし、毎年、おみくじを引いて、“凶”が出ると落胆されている方を多くお見掛けしてきました」と話すのは、芦屋神社(芦屋市東芦屋町)で宮司を務める山西康司さん。 その様子を、地元の老舗菓子店・田中金盛堂(芦屋市大桝町)の社長に相談した際に、凶を引いた人に同店で使える金券をプレゼントすることが提案されたそう。当時のことについて、山西さんは「社長夫婦のご厚意もあり、すぐに実現することが決定しました」と振り返ります。 実際に5年ほど前からその取り組みを始めた芦屋神社。昨年(2024年)の正月には100人ほどがおみくじを金券に交換したそうで、中には、凶を引いたことを喜ぶ家族もいたとのこと。また、この取り組みを契機に田中金盛堂のこと、地元のお店のことを知った人もいたそうで、山西さんは「地域にも、神社にも、多くの好影響をもたらしてくれました」と話します。神社側の思いとしては、これからも続けていきたいそうです。 芦屋神社では他にも、100年先を見据えた杜づくりの一環として、境内の中でゾーンを決めて紅葉や桜の木を植樹したり、植え替える事業を実施。さらに、直接神社に来ることができない人にも合格祈願などの祈祷をオンラインで対応するなど、様々な取り組みを行っています。 山西さんは同神社の今後について「地域の方々に“ふるさとのシンボル”だと感じてもらいたい。訪れた際に、いろんなことを思い出すことができる“都市の中のふるさと“を目指します」と思いを述べていました。 (取材・文=長塚花佳) ※ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より (2025年1月1日放送回)
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