アストロズ黄金期の礎を築いたタイガースの指揮官が古巣に挑戦。ア・リーグ ワイルドカードシリーズ
懸念点は、ここ1週間ほどケガで戦列を離れているアルバレスの復帰が微妙なところ。投手陣は第1戦での先発が予想される防御率2.91のフランバー・バルデスを筆頭に、移籍後に先発した10試合で5勝1敗、防御率2.70と抜群の安定感を見せている菊池雄星、さらには、ロネル・ブランコ(防御率2.80)、ハンター・ブラウン(防御率3.49)と、ソリッドな先発ローテーションを形成。
ブルペンも守護神のジョシュ・ヘイダーを始め、ブライアン・アブレイユ、ライアン・プレスリーと、盤石の陣容となっている。特に、新加入ながらアストロズで先発した試合のチームの勝率を9割とした菊池がどの試合で起用されるかは、大きな注目ポイントである。
対するタイガースは、シーズン最後の1ヶ月半を31勝13敗で駆け抜けてプレーオフ行きの切符を手にしており、プレーオフ進出チームで、最も勢いに乗っていると言っても過言ではない状態にある。この勢いが、経験豊富なアストロズにどこまで通用するかは、見ものである。
中でも注目は、投手3冠を獲得し、事実上ア・リーグのサイ・ヤング賞を確定させているタリク・スクーバルだ。シーズン後半にリーグ屈指の安定感を発揮するようになったブルペンを誇るタイガースだが、先発ローテーションの駒不足は否めないだけに、シリーズを勝ち抜く上でスクーバルが先発する第1戦の勝利は必須となる。
そんなプレッシャーのかかる初戦で、プレーオフ巧者のアストロズ打線を相手に、MLB最高投手と評されるエースは果たしてどのようなパフォーマンスを見せるのか。その辺も、このシリーズがワイルドカードシリーズで最も興味深い組み合わせと思わせる所以である。
J SPORTS 編集部