松井一郎氏が批判する“一番大きな裏金”とは?「自民・立憲・共産・公明ももらってる」
前大阪市長にして、国政政党である日本維新の会を一から立ち上げた経歴を持つ松井一郎氏。自民・公明の獲得議席が過半数を割る結果となった10月の衆議員選挙でも争点となった「政治とカネ」の問題について聞いた。なぜ国会議員は政治資金の使い途を明かすことができないのか。「政治には金がかかる」という主張は本当なのか。政治家としての長年の経験から「政治とカネ」の実態を語る。(構成/田之上 信) この連載は、派閥論の名著と名高い渡辺恒雄氏の『派閥と多党化時代』(雪華社)を復刊した『自民党と派閥』(実業之日本社)を事前に読んでもらったうえで取材をしています(一部を除く)。 ● 議員バッジの生活水準を 味わうと元には戻れない ――まずは渡辺恒雄氏の『自民党と派閥』を読まれてのご感想をお聞かせください。 自民党の派閥の歴史を知るうえで、そういうことだったんだなと興味深く読ませてもらいました。 気になったのは前木(理一郎)さん(元読売新聞政治部長)の解説です。僕の考えとはちょっと違うところがあります。 前木さんは政治にはカネがかかるので、それをあまり規制してしまうと、ポピュリズム的な選挙のあり方になると書いています。 今回の政治とカネの問題で、政治にはお金がかかるというのはその通りだけど、かかったお金をオープンにしてくださいよ、というだけの話なんですよ。 ――出口を透明にするということですね。 そうです。政治にお金がかかりますって言うてる人たちは、みんなそれが政治のためのお金だったのなら、オープンにできないほうがおかしい。 それはオープンにできない理由があって、ほとんどの人が、政治のカネを政治に使っていない。おそらく生活に使っている。政治の活動費ではなく自らの生活費、生活のレベルを上げるためのお金だからオープンにできないんです。 ――生活費に使っているというのはどういうことですか。