ネトフリで話題になった「地面師たち」のような集団は今も存在しているのでしょうか? 被害に遭わないためにはどうすればよいですか?
ネトフリで話題となった「地面師たち」は、巧妙な手口で不動産をだまし取る詐欺集団を描き、そのリアルさが多くの視聴者に衝撃を与えました。過去の事件で表舞台から姿を消したかに見える彼らですが、手口を変えながら今も活動を続けている可能性が指摘されています。 本記事では、地面師の手口の特徴と、被害に遭わないための具体的な対策を解説します。
「地面師たち」は元になった事件がある
話題となったネトフリドラマ「地面師たち」は、不動産詐欺に特化した詐欺師グループ通称「地面師」が大手デベロッパー(不動産開発業者)に対して、約100億円相当の土地を利用して大規模な詐欺を仕掛ける物語です。 このドラマは、2017年に実際に発生した積水ハウス事件をモデルにしています。当時、積水ハウス(大阪市)は都内の旅館跡地に目を付けた地面師グループによって、約55億円もの代金を騙し取られました。 事件の計画は、品川区の旅館跡地を所有する女性の情報をもとに行われ、詐欺グループは複数人で犯行を企てました。グループの一員である偽の所有者役の女性を使い、2017年3月から6月にかけて積水ハウス側と交渉を進め、不正に土地の売却代金を得たのです。 ■地面師は古くから存在していた 地面師の活動は長い歴史を持ち、日本では特に昭和から平成初期のバブル経済期に多くの被害が報告されています。この時代は不動産価格の高騰に伴い、土地の売買が活発化したことから、詐欺グループの暗躍が目立ったようです。 地面師たちは、現在も手口を巧妙化させて活動を続けている可能性があるため、依然として注意は必要です。 ■地面師にだまし取られたお金は戻ってくるのか 地面師に一度騙し取られたお金は、取り戻すのが非常に難しいといわざるを得ないでしょう。例え犯人が逮捕されて刑罰を受けたとしても、警察が直接お金を回収して返してくれるわけではありません。 被害者は「不当利得返還請求」などの民事裁判を通じて返還を求める必要がありますが、裁判で勝訴しても、犯人が既にお金を使い果たしていれば取り戻せないことが多いようです。 こうした背景から、詐欺被害に遭った場合には「一度払ったお金は戻ってこない」という覚悟をしておく必要があります。警察が事件として扱ったとしても、返金が保証されるわけではなく、泣き寝入りすることも少なくありません。そのため、詐欺に遭わないよう、事前の確認や慎重な行動が何より重要です。「騙された後に取り戻す」のではなく、「最初から被害を防ぐ」ことが大切というわけです。