2024年新社会人「奨学金の返還あり」が約6割【令和の若者のお金事情】毎月自由に使える金額・NISA・iDeCoの活用状況も
「学生の時に奨学金を借りた」「社会人になってから奨学金を返済している」 そういった人は少なくありません。 ◆【グラフ4枚】令和元年度調査における支給対象学種別、奨学生数の割合。2枚目以降、いまどき社会人のお金事情に関するデータをグラフでご紹介! 2024年7月2日、財務省は7月発行の10年国債の表面利率を、6月発行分の0.8%から引き上げ、1.1%としました。 「10年国債」という単語はあまり聞き慣れないかもしれませんが、実はこの利回りは、長期金利の代表的な指標となっています。 長期金利の上昇が続くと奨学金の金利も上がり、返済コストの増加が懸念されます。学生・新社会人にのしかかってくる奨学金返済、そのコストが上がるのは不安ですよね。 今回は、約半数の学生が利用しているとされている奨学金の返済について注目します。 今年は飲食料品が1万品目以上値上げになるというニュースも出ています。物価高による支出が増える中、社会人になると奨学金の返還も始まります。 筆者の周りでも新社会人として、奨学金の返還を始めている知人を見かけるようになりました。物価高のなか、奨学金返済の見通しがむずかしくなるかもしれません。 新社会人はどのようにお金をやりくりしているのでしょうか。 今回は奨学金の実態と、新社会人のお金事情について、現役大学生で構成されているLIMO・U23編集部が、調査結果を交えながら確認していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
奨学金についておさらい
まずは奨学金の概要について見ていきます。 日本で奨学金というと、大きく分けて「給付型(返済不要)」と「貸与型(返済必要)」の2種類があります。 ここでは、最も一般的な奨学金といえる「日本学生支援機構奨学金」について解説します。 日本学生支援機構奨学金は教育機会の均等化を目的に国費で運営されているもので、貸与奨学金には、無利子の「第一種奨学金」と、有利子の「第二種奨学金」があります。 このほかに、入学時の一時金として「入学時特別増額貸与奨学金」(有利子)があります。 基本的に第一種奨学金のほうが成績や世帯収入といった貸与条件が厳しく、貸与金額も限定されています。 第二種奨学金は「利率固定方式」と、いわゆる変動型である「利率見直し方式」が選択でき、利率見直し方式ではおおむね5年ごとに利率が見直されます。 ●奨学金貸与のボリューム層は? 奨学金貸与を受けている学生を学校種別に確認します。 日本学生支援機構によると、令和元年度の調査時における奨学生は127万225人であり、そのうちの7割以上が大学生でした。 筆者の周りでも奨学金貸与を受けている人は多く、100万人以上の学生が奨学金制度を利用しているというのは納得の結果です。 貸与型の奨学金は社会人になってから返還義務があります。 実際に、バブル前後の世代では大学生のときに「まあ返せるだろう」という算段で借りた奨学金が、50歳になるまで足かせになったなどの話を耳にすることもしばしば。 社会情勢に振り回されて長いあいだ返済に苦しむのは避けたいところです。将来を見据えて貯金や資産運用をする必要がありそうですが……。 次では奨学金も含めて、イマドキ新社会人のお金事情について見ていきましょう。