年金を繰り下げしたらどのくらい増額される?|年金繰り下げ受給の計算方法を解説【シン・会社のマナー】
年金繰り下げてよかった! 実例を紹介
繰り下げ受給についてのメリット・デメリットを確認してきました。ここでは、年金を繰り下げてよかったという例を二つ紹介します。 ◆一つ目の例 一つ目の例は、単身者のケースです。いざという時頼れる家族もなく、遺族年金などの受給もないとなると、老後の生活を支えるのは貯蓄と年金です。長く働き続けることがベストですが、十分な収入や貯蓄が確保できるとは限りません。 こういう場合、早く亡くなったら損ということよりも、長生きリスクに備えるほうを優先したほうが良いと言えるでしょう。年金の繰り下げで、老後の生活費が増えて良かったという人も多数います。 ◆二つ目の例 二つ目の例は、夫婦二人ともに厚生年金に加入して働いているケースです。この場合、夫も妻も老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられますので、繰り下げの増額は大きくなります。どちらかが亡くなったとしても、遺族年金より自らの厚生年金が高い場合はそちらを選択することになりますので、厚生年金が受け取れなくなる心配もありません。
まとめ
年金の繰り下げは、若い時はなかなかピンとこないものですが、年金を受け取る年齢になると重要な問題となってきます。自分がいつまで生きるかということは誰にもわかりません。ただし、長生きすることを前提に考えると、年金の増額は老後の生活にとって大きいものです。仕事や家庭の事情をよく考えたうえで、無理のない範囲で年金の繰り下げを検討すると良いでしょう。 ●執筆/小田 啓子(おだ けいこ) 社会保険労務士。 大学卒業後、外食チェーン本部総務部および建設コンサルタント企業の管理部を経て、2022年に「小田社会保険労務士事務所」を開業。現在人事・労務コンサルタントとして企業のサポートをする傍ら、「年金とライフプランの相談」や「ハラスメント研修」などを実施し、「働く人を支援する社労士」として活動中。趣味は、美術鑑賞。 ●構成/京都メディアライン
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