「彼らは家族」戦地ウクライナの日本人写真家 自宅売却し“移住”を決めた理由 #戦争の記憶
生活者としてウクライナを伝える
尾崎はボランティア活動をしながら、写真家としての活動を続けている。ここで暮らしていることには、写真家としてのある視点があるという。 「多くのジャーナリストが一定期間ここで取材し、帰国していきます。もちろんそのことによって見えてくる事実もあります。でも、彼らが帰った後にも残された住民たちの生活は続きます。僕はここで暮らしている人間として、彼らの喜びや悲しみやいら立ち、胸に秘めたかすかな希望のようなものを共有して、それを世界に伝えていきたいんです」 毎週末、団体のメンバーは兵士たちをサウナに招いて慰労会を開く。兵士のひとりが、「お礼だ」といって薬草のような葉で尾崎にマッサージをしている。兵役や支援活動を離れた、ひとときの安らぎの時間だ。そこにはこの国の人々を愛し、人々に愛され、深く彼らの社会に溶け込んでいる尾崎の心からの笑顔があった。
「#戦争の記憶」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。戦後80年が迫る中、戦争当時の記録や戦争体験者の生の声に直接触れる機会は少なくなっています。しかし昨年から続くウクライナ侵攻など、現代社会においても戦争は過去のものとは言えません。こうした悲劇を繰り返さないために、戦争について知るきっかけを提供すべくコンテンツを発信していきます。