[MOM4727]大津FW山下景司(3年)_プレミアWESTで8戦10発。進化示す一撃で大津を全国へ導く
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [6.5 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 3-1(延長)熊本国府高 えがお健康スタジアム] 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 現在、“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグで最もゴールを叩き出しているストライカー。FW山下景司(3年=ソレッソ熊本出身)が、大津高を全国大会出場へ導いた。 1-1の延長後半6分、山下は左のMF嶋本悠大(3年)からのパスを受けると、右へのフェイントを入れてから右足を一閃。強烈な一撃をゴール右隅へ突き刺した。シュートモーションでDFの足を止め、右に外す動き。「コースが空いてたので、もう迷いなく振り抜いたって感じです」。自ら作り出したコースを狙って右足を振り抜いた。 それまで山下はシュートゼロ。ボールに触れる機会も少なかった印象だ。チームは後半ラストプレーに失点し、延長戦へ。「(結果を出せていない中、)あの時間帯まで出させてもらったってことで、一発決めるのが仕事だと思っていました」。自分がゴールに集中できるように、仲間たちがサポート。その中で集中してゴールを目指し続け、GKから逃げるような弾道の一撃で1点をもぎ取った。 このゴールは、山下にとって進化、さらなるゴール量産へのきっかけになりそうだ。山下はプレミアリーグWEST8試合で得点ランキング首位の10得点。同EASTを含めて最も多くのゴールを叩き出している。 だが、その得点のほとんどが、相手の高いDFライン背後へ抜け出して決めたもの。山城朋大監督は「県大会みたいに引かれた時に、どういう風に点取れるかがオマエの価値を試されるよと言っていました」という。シュートバリエーション増加を目指す中、この日の決勝点はこれまでと違う形で決め切った。 山下は「(プレミアリーグWEST第8節の)ファジアーノ(岡山U-18)戦で1個裏抜けじゃなくて、ターンからのシュート決めたり。『目の前に敵がいる中でゴール決めることが課題』って山城先生からも言われていたんですけど、 今日のゴールはちょっとボディフェイクで相手をずらしてから決めることができたので、そこはちょっと成長したなと思います」と胸を張った。 下級生時から先発を務める山下だが、新チームスタート当初は思うような結果が出ていなかった。だが、3月のサニックスカップでは5試合で8得点をマークし、大会MVPと得点王(他1名)を受賞。そこから得点を量産できるようになった。 「サニックスの前はむしろ足引っ張ってたというか、自分がダメで、九州新人も(決勝で)負けたので。たまたまですけど、点取れて、そこから吹っ切れてちょっとプレーに迷いがなくなりました」。山城監督はDFと入れ替わる動きなどが成長いることを認める。また、下半身の強化など貪欲に取り組んできた成果も結果に結びついているようだ。 山下の目標は先輩超えだ。「こんだけ点取れるってシーズン初めは思っていなくて、ここまで来てるのは出来すぎだと思ってるんで。謙虚にやっていくことが大事だと思いますし、(先輩のMF碇)明日麻さんは20点取ってたんで、自分もああいう存在になっていけたらチームも優勝できるかなと思います」。昨年のエース、MF碇明日麻(現水戸)はプレミアリーグWESTで20得点をマークし、得点王。山下はリーグ戦であと10得点以上積み重ねる意気込みだ。 昨年、初戦敗退に終わっているインターハイの目標は優勝。「やっぱり100パーセント自分たちの力をどの試合でも出すっていうことを意識してやっていけば、チャンスはあるかなと思います」。有力な得点王候補は、優勝と得点王の2冠獲得へ向けて進化を続ける。