2つの日本代表に溢れるサバイバルへの気概と危機感
「キャリアのなかで一番大切な試合になる」と語った吉田麻也
A代表初招集の山根は韓国戦で先制ゴールを奪取。デビュー戦で初得点も、冷静に自己分析したうえで生き残りに意気込んだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部:JMPA代表撮影)
カズ(三浦知良)は、32年前の夏にブラジルで日本代表と対戦している。コリチーバの一員として1-0で勝利した当時21歳のカズは「まだ日本代表が誇りを持って戦える環境が整っていない」と感じたという。実際日本代表は、この南米遠征の帰国便で初めてビジネスクラスを利用することができたが、往路はエコノミークラスでの過酷な長旅だった。 帰国したカズは、プロの先駆者として日本代表を取り巻く環境改善に尽力した。選手たちが練習着をトランク一杯に詰め込み、現地のコインランドリーで洗濯する。海外から招待したチームが参加するトーナメントで、日本代表だけが賞金を受け取れない。後年カズは「若いから言えちゃったんですよね」と笑っていたが、こうして環境面で変革を促し誇りを持って戦い抜く。最初に参加したアジア大会では負けて、ドーハでは韓国に勝利して涙を流した。 今回招集された日本代表で主将を務めた吉田麻也
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