米当局、暗号資産マネーロンダリングの疑いでロシア人2人を起訴
ロシア国籍のセルゲイ・イワノフ(Sergey Ivanov)氏とティムール・シャフマメトフ(Timur Shakhmametov)氏が、暗号資産(仮想通貨)を利用したサイバー犯罪者向けのマネーロンダリング・サービスの運営に関与したとして起訴されたと、米当局が26日に発表した。 米国務省は、シャフマメトフ氏とイワノフ氏の逮捕につながる情報に対して、各自に1000万ドル(約14億2000万円、1ドル142円換算)相当の報奨金を出すと発表した。 米当局はまた、オランダ、ラトビア、ドイツ、英国、ユーロポール(欧州刑事警察機構)、複数の米機関が関与する「国際的な協調取り組み」と呼ばれるものを通じて、3つの違法暗号資産取引所に関連するWebサイトも押収。これらのWebサイトは、ロシアにリンクされた決済および取引プラットフォームのCryptex.net、UAPS、PinPays、PM2BTCと関連がある。 「ロシアの制裁回避とマネーロンダリングに立ち向かうため、司法省、財務省、シークレットサービスは本日、国際的なパートナーと協力し、グローバル暗号資産ネットワークを破壊するための行動をとった」と米国のウクライナ支援に関するジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の声明は述べた。 イワノフ氏は過去11年間で11億5000万ドル(約1630億円)以上に相当する取引を行った。同氏は、カーディングサイト「Rescator」に決済処理サポートを提供したことによる銀行詐欺の共謀罪1件と、カーディングサイト「Joker's Stash」のマネーロンダリングの共謀罪1件で起訴された。盗んだクレジットカードやデビットカードのデータを詐欺目的で不正に使用することは、「カーディング」として知られている。 ネット上では「JokerStash」や「Vega」として知られるシャフマメトフ氏は、イワノフ氏と同じ罪で起訴されたが、年間4000万枚のクレジットカードのデータを売りに出していたカーディングサイト「Joker's Stash」の運営に関与したとして、アクセス機器詐欺の共謀罪1件でも起訴されている。 「本日起訴された2人のロシア人は、大量のマネーロンダリングにより数百万ドルを手にし、世界中のサイバー犯罪者のネットワークを助長したとされ、イワノフ氏はダークネットの麻薬密売人やランサムウェアの運営者を支援したとされている」とリサ・モナコ(Lisa Monaco)司法省副長官は述べた。 シークレットサービスが関与した今回の活動では、マネーロンダリングに関連する暗号資産取引所「Cryptex.net」を支援するために使用された2つのドメイン名が押収され、同取引所では14億ドル(約1990億円)にのぼる「3万7500件の取引」が行われていた。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:Shutterstock|原文:Global Effort Disrupts Russia Linked Network Using Crypto to Evade Sanctions, U.S. Charges Two Russians
CoinDesk Japan 編集部