採用時の最低時給1036円、長崎県内企業の平均 最賃より83円高い
長崎県内に本社を置く企業が従業員を採用する際の最低時給の平均は1036円で長崎県の最低賃金953円を83円上回ったことが、帝国データバンク長崎支店の調査で分かった。同支店は「最低賃金では継続的な従業員の確保が難しく、引き上げざるを得ない企業が多いのではないか」と分析している。 長崎県の最低賃金は10月12日に55円上がった。調査は改定前の9月、県内260社を対象に行い、94社の回答を集計。正社員、非正規社員を問わず、採用する際の最も低い時給を尋ねた。 業界別では建設が1215円で最高。製造(1065円)、サービス(1001円)と続き、最低は農林水産(953円)だった。企業からは「賃金ばかり上げたら企業がパンクする」(建設)、「(賃上げより先に)経済の底上げを現実のものにしてほしい」(鉄鋼・非鉄・鉱業)など賃上げで経営が圧迫されている感想が多かったという。 同支店は「政府は最低賃金の引き上げを続けるだけでなく、人手不足や価格転への対応、社会保障制度の改定など、企業の経営状況が逼迫(ひっぱく)しないよう政策を打ち出していく必要がある」としている。