「超速ラグビー」がベールを脱ぐ。キャプテンはリーチ。期待の新星・矢崎由高、代表デビュー。ラグビーの母国イングランドに挑むエディー・ジャパン
ボーズウィックHCは、元日本代表のアシスタントコーチだったこともあり、日本代表を警戒する。「プレーの精度、規律を保ち、キックオフの笛が鳴った瞬間から最後まで、パフォーマンスの強度を維持する必要がある」。今回の国代表同士の正式なテストマッチとして行われる。日本で両国のテストマッチが行われるのは史上初めてのこと。1971年、1979年の来日時の対戦では日本協会は選手にキャップを与えたが、イングランドはキャップを与えていない。主力選手が抜けていたこともあるが、日本ラグビーを格下とみていた時代だったこともある。日本での正式なテストマッチは歴史的にも意義深い。日本代表は過去イングランドに一度も勝ったことがなく、歴史を変える挑戦でもある。
ジョーンズHCは言う。「イングランド代表のプレースタイルはシンプルで、セットプレーで試合をコントロールします。前に出るディフェンスもキッキングゲームも強い。イングランドのサイクルを壊し、自分たちがゲームのテンポをコントロールすることが大事です。イングランドが非常にやりづらいという瞬間を作りたい」。タックルの届かないスペースにボールを動かし続け、捕まえるのが難しいと思わせられるかどうか。イングランドの選手たちを焦らせることができれば勝機は見えてくる。日本ラグビーの未来を託された選手たちが全力で戦うのは間違いない。ラグビーの母国から史上初の勝利を挙げ、2027年のRWCに向かって好スタートを切る瞬間を多くのファンと選手が共有する。そんなシーンを見てみたい。
村上 晃一