ＢＨＰのアングロ買収案、南アから43億ドル流出もーＪＰモルガン
（ブルームバーグ）： 豪ＢＨＰグループが提示した条件で英資源・鉱業会社アングロ・アメリカンの買収が成立した場合、南アフリカから43億ドル（約6700億円）の資金が流出する可能性があると、ＪＰモルガン・チェースが分析した。
アングロ、ＢＨＰとの協議開始に同意－386億ポンドの買収案は拒否
実際に流出すれば、南アの通貨ランドの下落につながる可能性がある。ランドは過去５週間に対ドルで4.4％上昇しており、ブルームバーグが追跡している主要16通貨の中で値上がり率がトップだ。
ＢＨＰは、アングロがまず南アフリカの鉄鉱石およびプラチナ生産２社の過半数株式を売却することを要求している。アングロはこれを含めた買収案を拒否しているが、ＢＨＰと協議を開始することには同意した。ＪＰモルガンの南ア鉱業担当アナリスト、キャサリン・カニンガム氏は、ＢＨＰの提案が通った場合、先進国のインデックスファンドが２社の株式を売却する見通しで、結果的に資金が流出するだろうと指摘している。
カニンガム氏の分析によると、先進国のファンドが94億ドル相当の株式を売却する一方、新興国市場の投資家が51億ドル相当を購入し、差し引き43億ドルの純流出となる計算だ。ＪＰモルガンは、公開データに基づきインデックスファンドのアングロ・アメリカン株の保有額を推定した。
カニンガム氏は、ランドへの潜在的な影響は評価していない。
原題：Anglo-BHP Deal Could See $4.3 Billion Leave S. Africa, JPM Says（抜粋）
(c)2024 Bloomberg L.P.
Antony Sguazzin
