ガールズケイリンの未来はどうなる? 波紋呼んだ「競輪祭女子王座戦」に競輪記者がホンネ
白熱のKEIRINグランプリを終え、激戦の2023年が幕を閉じた。昨年11月の「競輪祭女子王座戦」決勝で話題となったガールズケイリンの戦術について記者たちはどう考えているのか? そしてガールズケイリンの未来は? 日ごろ選手を間近で取材する敏腕競輪記者がホンネで激論を交わした(文中敬称略)。(取材日:2023年12月1日)
ガールズケイリンの今後と課題 「競輪祭女子王座戦」を振り返る
デイリースポーツ 松本直記者(以下松本) では、ガールズの話題です。 東京スポーツ 前田睦生記者(以下前田) 去年の「競輪祭女子王座戦(GI)」は梅川風子が優勝。ガールズケイリンの原理すべてを活かして勝ち切りましたね。 松本 去年ガールズケイリンのGIが新設されて、ガールズに関しては「勝ち上がりでいい着を取った選手にいい枠を与えていきますよ」っていうルール。それを梅川がモノにしましたね。枠(車番)を活かしきった勝利かなと。 前田 そうですね。男子でもチャレンジ戦などで「枠でこうなるだろう」って決め打ちになるようなレースが発生しますけど。女子王座戦の決勝では、それを打開できなかった他の選手たちに物足りなさを感じました。 松本 吉川美穂が動いた時に、誰か一緒に連動して動いたり、何かあっても面白かったと思う。 日刊スポーツ 松井律記者(以下松井) もともと男子の競輪も、ラインがなかった時代は強い自力に強い追い込みが付くことがあった。今、ガールズがそういう構図になっている。強い自力選手の後ろで併走になっていることが少なくない。 前田 そうですね。 松井 女子王座戦で言えば、1番強い佐藤水菜が1番車で、梅川が2番車に入った時点で、あの展開は予想出来たよね。で、佐藤の11秒7のまくりを梅川が11秒6で差した。他のメンバーは打つ手がなかったね。 前田 SNSを中心に「あれはどうなんだ」みたいな意見が上がっていましたけど。構成上起こりうるレースだったし、それを梅川がものにしただけ。他の選手が手を打てば、そんなレースにはならなかった。 松本 そう思います。 前田 だからSNSで騒ぎになること自体が、よくわからない。レースだけを見ると、そういう構成は普通に起こりうると思います。