日伯国際共同制作プロジェクト「Saudade Na MIRAGEM・蜃気楼のサウダージ」、11月30日にサンパウロで世界初演
マリオ・バルガス・リョサの小説「世界終末戦争」からインスパイア
日本とブラジルの演出家、音楽家、俳優、舞踊家ら計11名が参加する国際共同制作プロジェクト「Saudade Na MIRAGEM・蜃気楼のサウダージ」が、2024年11月30日にブラジル、サンパウロのアントゥニス・フィーリョ劇場(セスキ・ヴィラ・マダレーナ)で世界初演を迎える。 「Saudade Na MIRAGEM・蜃気楼のサウダージ」は上演時間1時間45分のステージで、1896年から1897年にかけてブラジルのバイーア州奥地で起こったカヌードス戦争を題材にしたペルー人作家マリオ・バルガス・リョサの小説「世界終末戦争」にインスピレーションを得た作品とのこと。宗教、精神性、紛争、そして正義の両義性の関係に疑問を投げかけ、未来へのビジョンを提案しているという。 出演者はダニーロ・ダウ・ハファ、エドゥアルド・オカモト、フェルナンド・ルフェル、ジェシカ・バルボーザ、ジョアン・ギザンジ、ジュリオ・ロロシュ、パウロ・ソコバウノ、ヤナ・ピーヴァに加え、日本から今井尋也(小鼓演奏家・俳優)、西川壱弥(小鼓演奏家・俳優)が名を連ねる。384組が応募したオーディションで選ばれたという。 同作品は、2022年に発足した4ヵ年計画「火の鳥プロジェクト」の第3章として制作されたという。このプロジェクトでは、ポーランド、マレーシア、ブラジル、日本のアーティスト間の創作とコラボレーションを提案し、さまざまな文化から世界の未来を反映することを目指している。 日本語とポルトガル語の両言語による台詞や謡(うたい)、ラップ、歌を交え、ビリンバウやパンデイロ、シェケレなどブラジルの多彩な楽器による生演奏が展開される。また、生映像や動画のプロジェクションといった最新の映像技術も駆使し、演劇の枠を超えた大規模な総合アートを目指しているという。 プロジェクトの指揮は日本の小池博史(空間演出家・作家・振付家、映画監督)が手掛けている。本公演でも演出・脚本・構成・振付を担当する。 音楽はブラジルのグレゴリー・スリヴァーが手掛ける。 会場はセスキ・ヴィラ・マリアーナ アントゥニス・フィーリョ劇場。上演日程は2024年11月30日(土)~12月15日(日)。開園時間は水曜日~土曜日は21:00から、日曜日は18:00から。 (文/麻生雅人)