母の日に13、14号で5打点…BIGBOSSが「何を投げたらいいの」と嘆く西武・山川穂高のホームラン量産の理由とは?
セ・パ両リーグを通じて最多のホームランを放っている西武の主砲、山川穂高(30)の量産ペースが異次元の領域に突入した。本拠地ベルーナドームで8日に行われた日本ハムとの8回戦の初回に13号先制2ラン、3回には14号3ランを連発。全得点を叩き出す大活躍でチームを5-1の快勝に導いた。開幕直後に負った右太もも裏の肉離れで14試合を欠場しながらも、出場22試合で14本塁打をマークしている山川の長打率は驚異の.974に、このままのペースで量産すれば、シーズン終了時点で82発に到達することになる。
シーズン換算82発のハイペース
バットを振るたびに打球は快音を残し、美しい放物線を描きながら数秒後にレフトスタンドで弾む。山川の無双ぶりにさらに拍車がかかった。 まずは初回。二死一塁で日本ハムの先発右腕、杉浦稔大が投じた初球、内角高目に浮いた146kmの甘いストレートを山川は見逃さなかった。 「とりあえず初球からいこうと思っていたので、打ててよかったです」 試合後のお立ち台で謙遜気味に先制の13号2ランを振り返った主砲は、3回一死一、三塁で再び初球、外角高目に浮いた128kmのスライダーを強振。14号3ランで杉浦を49球でKOした第2打席を含めて、笑顔で「状態はいいと思います」と胸を張った。 「でも、けっこう適当に、じゃないですけど、狙い球とかはなく、タイミングだけを合わせていこうという感じだったので、バットに当たってくれてよかったです」 走塁中に痛めた右太もも裏が、軽度ながら肉離れを起こしていると診断されたのが4月1日。出場選手登録を抹消されて14試合を欠場しながら、離脱前に5戦4発をマークしていた山川のバットは、同19日の復帰後も猛威を振るっている。 むしろ5月に入ってから7戦6発とさらにペースアップ。ここまでに出場した22試合で放った14本塁打は、6本で2位につけている浅村栄斗(楽天)、アルカンタラ、今川優馬(ともに日本ハム)に8本もの大差をつけてリーグトップを独走し、11本でセ・リーグのトップに立つ岡本和真(巨人)をも押さえている。 放った29本のヒットのうち、実に半分近くが外野のフェンスを越えた。打者を評価する指標のひとつで、1打数あたりの塁打数の平均値を表す長打率は実に.974に達し、このままのペースならばペナントレース終了時で82発を放つ計算になる。 報道によれば、日本ハムのBIGBOSS新庄剛志監督は山川に全5得点を叩き出され、1点を返すのが精いっぱいだった試合後の第一声でこう語ったという。 「山川君には何を投げたらいいのでしょう」 試合前には「山川ファン」を自称するBIGBOSSが懇願して万波に山川が”越境”打撃指導する異例のシーンも見られた。 2018年に47本で、2019年には43本でホームラン王に輝いた実績を持つ山川のバットが手をつけられない、まさに“打ち出の小槌”状態にあるのはなぜなのか。昨年12月の契約更改後に残した言葉に、答えの一端が反映されている。