能力や勤勉さで劣っているわけではない…日本人の「労働生産性」がG7でぶっちぎりの最下位になった根本原因
■高成長企業の分析から見えてきた3つの成長パターン 1人当たりの付加価値を高めている先行例としては、どのような企業が挙げられるのか。 本書では、東京証券取引所の上場企業を対象に、1人当たり付加価値を持続的に高めている「高成長企業」19社を抽出した。 それらの「高成長企業」の成長パターンについて類型化すると、「共通化」を通じて頻度(回転)を増すことに重きを置くパターンの「ライフライン化」、「蓄積」をてこに「差異化」を通じて価格を高めることに重きを置くパターンの「アイコン化」、それらの中間に位置するパターンとなる「コンシェルジュ化」という3つのパターンに分類することができた(図表7参照)。 この3つの成長パターンはあくまでも基本類型であり、実際には様々なバリエーションがあり得るだろう。各企業には、自社を取り巻く顧客ニーズや市場環境などに即して、これらの間の最適なバランスを見極めることが求められる。 ---------- 松江 英夫(まつえ・ひでお) デロイトトーマツグループ執行役 1971(昭和46)年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。中央大学ビジネススクール、事業構想大学院大学客員教授。経済同友会幹事、政府の研究会委員、テレビの報道番組コメンテーターなど、産学官メディアで豊富な経験を持つ。 ----------
デロイトトーマツグループ執行役 松江 英夫