【選手権】後半の2ゴールで明秀日立が近大和歌山に勝利し3回戦進出
第103回全国高校サッカー選手権大会は31日に2回戦16試合を実施。ニッパツ三ツ沢球技場で行なわれた明秀日立と近大和歌山の一戦は、後半の2ゴールで明秀日立が勝利した。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 近大和歌山 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 近大和歌山 前半は一進一退の展開が続いた。最初のチャンスは前半3分、明秀日立が自陣から相手の背後に入れたボールにFW10竹花龍生(3年)が反応したが、近大和歌山のDFがスライディングで対応。5分には右CKをDF5菅野一葵(3年)が頭で合わせたが、シュートは枠を捉えることができない。 「明秀日立は強度が高くて縦に速い。ピンチは当然ありましたが、そこの対応はできていた。練習試合などでエラーも出ていた中、今日のゲームは、DFラインは選手権が決まってからのゲームで言えばよく踏ん張ってくれていた。集中力があったし、ギリギリのところで周りの人があっと驚くような守備をしていた」。 藪真啓がそう称えたように近大和歌山は良い守備で奪ったボールをカウンターに繋げると13分にはクリアボールがMF8小嶺李王(3年)の下へ。ドリブルでPAまで持ち込んでゴール前にパスを入れたが、DFに阻まれた。17分には中盤で奪ったボールを左前方に展開。MF7佐久間瑛介(3年)がカットインからクロスを上げたが、シュートまで持ち込めず。試合後、藪監督は「前半の方がゲームの運びが良かったと思っていて、シュートを打てたかなというシーンが2、3あった」と唇を噛んだ。 対する明秀日立は前半の展開について、こう振り返る。「狙いとしては前半の早い時間に取ることを目標にしていたのですが、相手のカウンターが思っていたよりも速くて活路を見出すまでにかなり時間がかかってしまった」(萬場努監督)。だが、38分には中盤でのボール奪取からMF8柴田健成(3年)が前線にパスを入れ、FW9保科愛斗(3年)がゴールを狙うなど時間の経過とともに動きの堅さが取れて、本来の持ち味が出始めた。 後半5分にはDFに阻まれたものの、柴田が力強くゴール前を抜け出してシュートを放つなど、後半はチームの強みである力強さを生かして相手ゴール前に迫る場面が増加。12分にはカウンターから右サイドを運んで、保科が惜しいシュートを放つなど得点への期待が高まっていった。 均衡が崩れたのは16分。竹花の左CKから菅野が打点の高いヘディングシュートを叩き込んで明秀日立が先制すると、23分にはMF14尾上陸(3年)からのパスを受けたMF7六﨑蓮太(1年)が見事なミドルシュートを決めてリードを2点差に広げた。 試合終盤はエースのMF10松林優(3年)を前線に上げて、近大和歌山が攻勢を強めたが、「今日はハードワークできていたし、やりたいことよりもやるべきことを徹することできていた」(竹花)と守備強度と集中力を維持して、明秀日立が2-0で逃げ切った。 勝った明秀日立は3回戦で帝京と対戦。会場となるUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuは昨年先輩たちが3回戦で涙を飲んだ場所とあって、この一戦にかける意気込みは強い。「悔しい想いをした昨年と同じ会場でまたできるので、リベンジしたい。先輩たちの思いを含めて僕らがしっかり突破できれば、また違った景色を見ることができる。個人としてももっと上に行きたい気持ちが強いので、そこに向けてまた良い準備をしていきたい」。そう話すのはGK1重松陽(3年)で鬼門を突破し、更なる上を目指し続ける。 (文・写真=森田将義)