10年ぶりに実家に帰省も、いつまでも戻らない〈35歳の長男〉に疑念。〈年金月27万円・60代夫婦〉の幸せをぶち壊す、長男からの「まさかの告白」
10年ぶりに帰省の長男がなかなか帰らない…その理由に両親、唖然
順風満帆な老後を送っているといえそうな西村夫婦。たったひとつ、懸念をあげるとすると、10年ぶりの帰省で戻ってきたという長男・達也さん(仮名・35歳)のことだとか。大学進学と共に実家を出た達也さん。社会人になってからは「忙しい」を理由に、一度も帰省しなかったのだとか。 ――なんで帰ってこられないのか聞いたら、「起業した、本当に仕事で忙しい」と、思いもしない返事 ――連絡は取れるので心配しないようにしていたら、いつのまにか10年も過ぎていた そんな達也さんが、ふらりと帰ってきたのが1週間ほど前。驚く両親に、達也さんは「仕事が落ち着いたから、長期休みを取った」。どんな理由であれ10年ぶりの帰省、西村夫婦も嬉しくないはずがありません。毎日うきうきして過ごしていましたが、ふと「社長が長期休みって……会社は大丈夫なのか?」と一抹の不安が……。 そんな心配をしていると、意を決したように長男から告白。 ――すまない、金を貸してくれないか? 西村夫婦、心穏やかではない告白に驚くも、とりあえず、親に借金を申し入れるまでに至った経緯を聞いていきます。達也さん曰く、起業して忙しかったことは本当。しかし、会社自体はうまくいかず、1年ほどで畳んでしまったそう。その後も仕事はうまくいかずトホホな状態が続くなか、知人に暗号資産の投資話をもちかけられます。「必ず、一発逆転できるから」という言葉に乗り気になり、お金を借りて200万円をつぎ込むも儲からず……返金を申し出ますが、その知人とは連絡がつかなくなってしまったとか。このときまで詐欺だと気づかず、被害届は出したものの、被害を回復するのは難しいだろうといわれているといいます。 しかもお金を借りたのは高金利の消費者金融。どんどん借金が増えるばかりでどうすることもできず、怖くなり、とりあえず実家に逃げてきたという顛末でした。 独立行政法人国民生活センターでは、暗号資産の儲け話について注意喚起。「SNSで知り合った外国人男性から勧められた投資サイトで暗号資産の取引をした。出金を希望したら、高額な費用を請求された」「知人に暗号資産の自動売買でもうかると誘われ自動売買ソフトを購入した。もうからず、信用できないので返金してほしい」といった相談事例とともに、暗号資産の投資を勧める相手からの勧誘をうのみにしない、無登録業者とは取引しないなどのトラブル防止のポイントを挙げています。 達也さんも被害者ではありましたが、あまりに短絡的な考えに、思わず「ふざけるな!」と大声を出してしまったという茂さん。ただこうしている間にも、借金はどんどん増えていきます。すぐに達也さんを連れてお金を返しにいき、この件は一件落着。老後資金が一気に300万円ほど減るというのは痛い代償でした。ただ ――最後に私たちを頼ってくれてよかった。最近は闇バイトで犯罪に手を染めてしまう若者も多いというからね と茂さん。しかし心穏やかに過ごしていた老後の生活を台無しにした罪は大きいもの。とりあえず300万円はあくまでも貸したお金であり、きちんと返してもらうつもりだといいます。 [関連記事] 日本年金機構『令和6年4月分からの年金額等について』 金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査 [二人以上世帯調査]』 独立行政法人国民生活センター『【20代要注意!】暗号資産のもうけ話』
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