低山とは思えない和柄な絶景! 侮れないアスレチック感が魅力満載の十番山頂「御前山」ハイク
秀麗富嶽十二景には公式認定後に追加された山が2座あります。一つは八番山頂のお伊勢山で、もう一つが御前山です。すでに十二番まで埋まってしまっているので、どこかに追加しなければならなかったという理由はわかります。追加されるのに理由あり。秀麗富嶽の絶景、全20座中で三番目の低さであっても、映え度はトップクラスです。 【写真】プチデンジャラスな鎖場もある御前山登山を見る(全13枚)
アメイジングジャパンな松が絡む和柄の富士山
御前山の山頂は決して広いとは言えないものの、開放的なパノラマの舞台を用意して登山者を待っています。秀麗富士山は南西方向に。九鬼山と三ツ峠山、高川山、本社ケ丸が連なります。山頂の岩場に立つは松。絵に描いたような蒼天に富士山と松の絵柄。インバウンド登山者には、それこそアメイジングジャパン! な画角を切り取ることができます。このインスタを駅から約1時間半でゲットできるのはヤバイ!ですね。 御前山へは大月駅から国道20号を渡った駒橋交差点側登山口からと無辺寺からの2ルートのどちらかになります。ここでは駒橋交差点側、つまり厄王大権現の一の鳥居の先から入山します。ちなみに厄王大権現の奥の院が御前山山中に奉じられていることで、御前山は厄王山(やこうさん)の別名を持っています。 最近では無辺寺からの急登ルートを使い、菊花山からの富士山眺望をゲットして御前山へ向かうルートが人気のようですが、御前山が抱えているいわれを考えた時、こちらの駒橋交差点からのルートは一度は踏んでおくべきかとも思います。ルートは生易しくはなく、スポーツライクでありデンジャラスなところもある魅力溢れるプチアドベンチャールートです。
標高730m低山に詰め込まれた登山の醍醐味ルートを堪能
入り口には厄王山の石碑が立ち、標識には御前山と厄王山奥の院が連記されています。穏やかに登り、朱の鳥居が見えたらその先が本ルートです。ちなみにこの鳥居は厄王山四号目となります。ちなみに厄王山大権現が一号目で奥の院は十号目です。山頂は十号目の先になります。 つづら折りの登山道は急登ながらも道迷いの心配もなく、尾根に出ます。右手に再び朱の八号目鳥居が出てきます。つづら折りの急登路は続きますが、程なくして左手頭上岩壁に食い込むかのように立つ奥の院が現れます。奥の院は無機質な鉄製の扉に閉ざされて時を過ごし続けているようです。奥の院前を通過して、このルート上最大のデンジャラスポイントを迎えます。とはいえ足の置き場はしっかり確保できるので、足元を確認して先に進みましょう。山頂直下は間もなくです。 プチ岩場をやり過ごしていよいよ山頂です。標高730mという低山ですが、登山の楽しい要素がみっちり詰め込まれていると思います。下山はピストンないしは猿橋方面へのルートもありますが、沢井山ノ頭、馬立山、札金峠を経由して九鬼山を巡って十番山頂コンビを制覇する縦走プランをおすすめしておきます。
ソトラバ編集部