【中国人既卒職女子に聞く】コネ・カネ目当ての若者共産党員、現代中国は特権階級支配社会
(2024.3.13~5.1 50日間 総費用23万8000円〈航空券含む〉) 【写真】ドゥマゲッティ中心街にある中国人キリスト教会。1969年に建てられた
職を求めてフィリピンに来た大卒女子
3月23日。ネグロス島の学園リゾート都市ドゥマゲッティのホステルで中国女子チャン・チーリン(仮名・26歳)と同室となった。チーリンは隣のベッドに寝起きしていた。フィリピンは乾季で猛暑、40度越えも珍しくない。古希ジジイは外出が億劫になりエアコンの効いた室内のベッドでゴロゴロ。ホステルに長逗留しているというチーリンは早朝にジョギングして、日中はベッドで本を読んだり音楽を聴いたりしている。 そんなことから、しばしばチーリンとおしゃべりして時間を潰すことになった。彼女は西安出身。西安は近代的大都市だ。陝西省の省都で人口1300万人。旧名は“長安”、唐をはじめ、さまざまな王朝の都が置かれた古都。兵馬俑も近い観光都市。チーリンは上海の大学を卒業したが正規就職できず卒業後は上海で仕事を転々としてきた。 マニラの中国系貿易会社の事務系の職を得たので、観光ビザで渡航してきたという。月給は人民元払い、手取り1万人民元(≒22万円)で借上げアパート付き。人民元は対ドルでも上昇基調なので、生活費をフィリピン・ペソに交換してもかなり手元に残る。中国語の貿易関係書類作成が主な仕事らしいが、悪くない待遇のようだ。労働許可証が下りるまで有給休暇扱いなので、マニラより自然環境の良い海岸リゾートのドゥマゲッティで過ごしているという。
フィリピン政府は中国人へのビザ発給を制限している?
チーリンの知る限り、フィリピン政府は中国人の個人旅行観光ビザ発給はかなり制限しており、一時は申請しても90%は不可だったという。背景にはマニラを中心に中国人マフィアによる違法賭博があるようだ。筆者が2年前にマニラの繁華街のマビニ通りの老舗日本料理店で聞いた話では、中国系ヤクザがインターネット博打で荒稼ぎしており、当時のドゥテルテ大統領はたとえ外国人でも即刻死刑にすると宣言したと。 ただし、投宿していたホステルにはその後連日数人の若い中国人観光客がチェックインしていたのでビザ発給条件を緩和したのかもしれない。