【映像】“松井5敬遠”28年後の馬淵×林対談 「実力差が四分六なら、勝負は五分五分」馬淵流配球の妙 納得の林監督(第8回)
球速なくても詰まらせる「マニュアルいっぱいある」
配球をうまく生かせば、球速がない投手でも緩急を使った投球ができる、と馬淵監督は力説する。 馬淵監督 例えば、直球だけでも時間差をつけられる。(打者の打撃ポイントは)インハイなら(顔の)前で、アウトローなら後ろの膝の前。直球だけでも1メートル以上の時間差をつけられる。それがあの(92年夏の)星稜の山口(哲治)君は、ちょっと調子が悪かった。左投手は調子が悪い時はアウトハイとインローに(球が)来るんですよ。アウトハイとインローは時間差がない。 林監督 なるほど、そうですね。 馬淵監督 だから球はいいのに打たれる、逆に球がいっていないのに打たれないのは、インハイとアウトローにあるから。しかもアウトローに緩い変化球を投げたら、もっと時間差ができる。そういうことをバッテリーが分かって、野手も分かっておけばアドバイスもできる。それを知っているかどうかで全然違う。特に左投手が右打者へのアウトローにチェンジアップを投げたら、時間差がもう1メートル半、2メートルぐらいの感覚になる。球速がない投手のインハイでも打者が迷って詰まり出す。そういうマニュアルはいっぱいある。 林監督 もう本当に高知に行かないとだめですね。教えてもらわないと。
第101回全国高校野球選手権大会2回戦=2019年8月13日 ○智弁和歌山7-1明徳義塾●
智弁和歌山が一発攻勢で逆転勝ちした。七回1死一、三塁、黒川史陽の打球は併殺コースだったが、大きくイレギュラーして同点(記録は遊撃適時内野安打)。続く細川凌平の右中間3ランで勝ち越した。2死後に根来塁の2ラン、東妻純平のソロも出て、打者10人で7点を挙げた。明徳義塾は五回に鈴木大照の中前適時打で1点先取したが、先発の左腕・新地智也は七回に球が浮いた。
明徳義塾
1976年創立の中高一貫の私立校。野球部も同年創部した。甲子園初出場は明徳時代の82年春。夏は初出場の84年から2014年まで初戦16連勝。02年夏に甲子園初優勝。4強以上は松坂大輔(西武)を擁した横浜(神奈川)に敗れた98年夏を含め、春夏計6回。春は19回出場で25勝18敗、夏は20回出場で34勝19敗。