【長期レポート】ホンダZR-Vのe:HEVの4WDモデルは、想像以上にスポーティなSUVだった<第3回 e:HEV Z(4WD)編>
e:HEVと4WDの組み合わせはスポーティ
まず今月のテスト車を説明すると、グレードは最上級モデルとなるe:HEVのZ。前回まででも紹介しているように豪華装備が魅力のZだが、4WDモデルになると、熱線入りフロントウインドウ、フロントドア撥水ガラス+親水/ヒーテッドドアミラー、リアシートヒーター(左右)といった装備が追加される。どれも冬場や雪国では重宝する機能だ。 それ以外に見た目などでは大きな違いはないが、車両重量はe:HEVのZの場合1630kgで、FFとの差は50kgとなる。 さっそく乗ってみた印象だが、街中や高速道路など走り回ってはじめに気づいたのは直進安定性の高さ。出足から常時四輪で駆動するので、加速時の後ろから押されるような感触を感じながら、速度を上げていっても終始安定している。しかもコーナリング時に至ってはその安定感を保ちながら、巧みなトルク配分により、むしろFFモデルよりも曲がるのではないか、そんな印象すら受けた。 同時に気になったのは、足まわりや乗り味がこれまで乗っていたFFモデルよりも少し硬く感じたこと。4WDモデルではリアにもトラクションが掛かるため、サブフレームマウントのストッパー形状や、コンプライアンスブッシュの特性を変更しているようだが、もちろんそれだけではなく、サスペンション自体のセッティングも異なるのだろう。それも含めて全体的にFFモデルよりもスポーティな味付けになっていると感じた。
ZR-Vで往復1300kmのロングドライブで快適さを実感
と、そんな中で今回の期間中はメインカットを撮影した青森県まで往復約1300kmの移動をする機会があった。長距離の快適性はこれまでのe:HEVでも実証済みなので、ZR-Vでは率先してロングドライブをしたくなるのだが、今回はACCとLKASにも頼りながら移動したので本当に疲れ知らずだった。 それはZR-Vのフロントシートの形状や硬さが身長179cm(太め&重め)の私とは相性が良く、ハンドル位置とあわせて、ドライブポジションがピッタリと決まったことも大きいだろう。 ただ、そんなドライブの道中で突然の豪雨に遭遇した。舗装路でも感じていたことだが、ウエット路となるとその安定感の差は歴然だった。やはり、四輪が駆動することで直進時もコーナーリング時も安定して走ることができる。