歴史的「円安」このまま?家計の負担は?…止めるためにできること SNS「ゴミ通貨ぴえーん(円)」【#みんなのギモン】
■GWの海外旅行先に変化…1位は
近野解説委員 「JTBの今年3月の調査では、ゴールデンウイークに海外旅行に出かける人の数はコロナ前の9割ほどまで回復しましたが、行き先は 1位が韓国、2位が台湾、3位が香港・マカオと全てアジア圏内です。円安や物価高の影響で近場を選ぶ人が増えています」 忽滑谷こころアナウンサー 「私も旅行先を探す時に、まず『円安の影響が少ない所を』と絞ってしまうので、すごく気持ちが分かるなと思います。この円安ってまだまだ続くんですか?」
■日米の「金利差」が円安の背景に
近野解説委員 「何もしなければそのまま続くと言われているんです。どうしてかというと、円安の背景にあるのはアメリカと日本の間の金利の差です」 「きっかけは、アメリカ側の金融引き締め策です。経済活動が過熱して物価高も激しいので、お金を借りにくくして経済活動を抑制するために金利を引き上げました」 「そのため日本との金利差が拡大し、投資家たちの間では金利差を意識して、円を売ってドルを買う動きが強まりました。これが主な要因です」 「一方、日本では 3 月に日銀がマイナス金利を解除。金利差が縮まるかなと思われましたが、ほぼゼロ金利という状況は変わっていません。しかも日銀は当面、緩和的な環境が続くと強調したので、『金利差は埋まらないのか』と、円安が加速しています」
■為替介入の効果は? 円安を止める方法
森アナウンサー 「となると、円安を止めるためにはどうすればいいんですか?」 近野解説委員 「緊急の手立てとしては、政府による為替介入が挙げられます。ただ、野村総研の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは『アメリカの理解も必要ですし、効果は一時的で円安を生む構造そのものは変わらない』と指摘します」 「政策的なものとしては、日銀が金利を上げることです。そして、アメリカは今と逆に利下げをして、日米の金利差が小さくなることです。ただ短期的には難しいので、長期的な王道としては、日本の経済を強くするしかないんです」 「給与が上がり、いいモノやサービスをつくって、それが世界から買われるという好循環をつくることですね」