浦和・興梠慎三が今季限りで現役引退! 「監督になって、取れなかったリーグタイトルを」
38歳の誕生日となった7月31日、浦和レッズのFW興梠慎三が現役引退を発表した。プロ20年目、鹿島アントラーズ、浦和、北海道コンサドーレ札幌で歴代2位となるJ1通算168ゴールを積み上げてきた万能型ストライカーは、次のようにあいさつした。 「今年で現役を引退することを決断しました。20年間という現役生活。いろんな方に支えてもらった結果。鹿島アントラーズ、北海道コンサドーレ札幌、浦和レッズの関係者のみなさんには本当に感謝している。ありがとうございます。堅苦しい会見は苦手なので、にぎやかな会見にしたいと思う。よろしくお願いします」 今季限りでスパイクを脱ぐ決断を下した理由を問われると。 「正直に言うと、自分の力でチームを勝たせられないと感じたから。技術面ではそんなに変わりはないが、体力的に。サッカーは90分間スタメンで出て、どれだけチームのためにがんばれるか考えた時、なかなか長い時間持たない。スタジアムに来てくれるファン・サポーターはお金を払って観に来てくれる。それだけのものを見せられないもどかしさを感じ、こういう決断に至った」 興梠はサポーターの存在の大きさを口にした。 「サポーターはみなさんが思っている以上に選手たちを後押ししてくれる。とくに浦和レッズサポーターのみなさんはどんな状況でも全力で応援していただき、ふがいない試合をした時も全力で応援してくれる素晴らしい人たち。だから選手はもっとがんばらないといけない。タイトルをプレゼントするのが大前提だと思っている。サポーターの方々と口論することもあるかもしれないが、それはチームにとって大事なことだと思っているし、お互いが一生懸命にやっている証拠だと思う。若い選手はなかなかサポーターと触れ合うことがないが、もっと触れ合ってほしい。口論になってもいいし、こうやってほしいとか意見をぶつけて、絆を深めてほしいと思っている」 興梠はミハイロ・ペトロヴィッチ監督(札幌)との出会いに感謝の念を表した。 「『この人のためにがんばろう』と思えるのが大事だと思っていて、僕の中ではミシャ。そういう人と出会うのが大事だし、そういう出会いが成長につながると思っている。僕もいずれ監督の道に進みたいと思っている。ミシャは誰からも愛される。攻めている限り、守る必要がないという考え。ミシャのサッカーは美しく、観る者を魅了するサッカーだと思う。僕もそういうサッカーをしたいし、ミシャから今まで教わったことを若い選手に叩き込み、ミシャのように美しいサッカーをしたい」 浦和での心残りを質問されると、興梠はリーグタイトルだとキッパリ。 「現役生活20年間やってきて、今考えると悔しいシーズンが多かった。鹿島で3連覇でき、浦和に来て『ACL』を2回取れたのは本当に良かったが、タイトルを取ってもその日だけ喜び、次の日には忘れるもの。2019年に『ACL』決勝で負けたのは今でも悔しいし、『チャンピオンシップ』で鹿島に負けた時も悔しかった。そんな中Jリーグで優勝するチャンスが何度もあり、僕が浦和で唯一取れなかったのがJリーグのタイトル。それを取れなかったことが僕の後悔」 選手として取れなかったタイトルを、監督として取るつもりだ。 「浦和レッズの監督になって、自分が取れなかったリーグタイトルを取りにいく」 現在10位に甘んじる浦和だが、興梠は奇跡の逆転優勝を諦めてはいない。 「僕たちはチームのため、サポーターのため、自分のため、家族のためにがんばっている。埼玉スタジアムでタイトルを取ってサポーターと喜び合いたいと思っている。まだ4か月ある。リーグ戦も14試合ある。14連勝すれば、まだ優勝する可能性があると思う。それを諦めずにがんばりたい。サポーターにはこれまで以上の熱い応援をお願いします」 浦和は本日7月31日・埼玉スタジアム2002にて『Jリーグインターナショナルシリーズ2024powered by docomo』ニューカッスル・ユナイテッド戦を開催。8月7日(水)には『明治安田J1リーグ』が再開し、第25節・柏レイソルを埼スタで迎え撃つ。チケット発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。