「いつか使う」可能性は1%? 捨てられないモノへの執着が消える考え方
整理できる人とできない人の差は大きい。その考え方の違いはどこにあるのか。整理ができる人は 「劣後順位」を考え、できない人は 「必要なモノ」を考えると言う。仕事でも家庭でも使える片付けのコツを大村信夫氏が語る。 【写真】娘さんの部屋を片付けたら人生が変わった ※本稿は、大村信夫著『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)より一部抜粋・編集したものです。
「いつか使うかも」って、いつ使うの?
片付けでモノを整理しているとき「いつか使うかも...」と思って、結局ほとんど捨てられない、という経験はありませんか? もともと人間には「損失回避の法則」という性質があります。過去に下した自分の判断に対して失敗を認めたがらず、正当化するために「いつか使うだろう」というあいまいな基準を作り上げ、結果的に不要なモノで部屋があふれてしまうのです。 それを断ち切るために「劣後順位」という考え方があります。 劣後順位とは、「やらないことを決めること」です。 かの有名な経営学・者のピーター・ドラッカーは、この「やらないことを決めること」が重要であり、難しいと言っています。 これは片付けも同じで、モノに対しても明確な「劣後順位」を決めることで、本当に必要なモノだけを残すことができます。 私がオススメする基準は、「1年間使わなかったモノで、使う日程が現時点で決まっていないモノは手放す」というものです。 この1年という期間は、アメリカのナレムコ( 国際記録管理協議会: National Records Management Council)の統計をもとにしています。 この統計で、作成や収集された文書のうち、半年後に利用される文書は10%、1年後に利用される文書は1%であると示されました。 つまり、1年間使われなかった書類は、その後も99%使われないのです。 これは書類に関するレポートですが、モノに関しても同じだというのが、私が多くの方の状況を見て導き出した見解です。