2025年、石破首相に立ちはだかる3つの壁 36年前の悪夢とは…「ポスト石破」は誰?
衆議院選挙で与党過半数割れに追い込まれた石破政権。2025年の通常国会では、最重要課題の予算成立に向け野党の協力を得るメドは立ってない。“12年に一度”の東京都議選と参院選がともに行われる年に、石破首相に立ちはだかる3つの壁とポスト石破について解説する。(政治部 自民党担当 長谷栞里) 【図解】石破内閣発足時の支持率は2006年以降ワースト2位?過去の政権と見比べる
■第1の壁 2025年度予算 “野党の協力”が必須
自民・公明が過半数の議席を得られず“少数与党”となり「国会の景色が一変した」永田町。衆議院予算委員会の委員長など、重要ポストが野党の手に渡る中、2025年は与党にとってさらに苦しい場面が続くことが予想される。 国会で審議される予算案や法案は基本的に衆議院・参議院で“過半数の賛成”で可決されて初めて成立する。つまり、現状の与党の衆議院の議席数では、野党にも賛成してもらわない限り、2025年度の本予算案が成立させられないのだ。 2024年、少数与党になって初めての臨時国会では「補正予算」を成立させるために、与党は野党の協力を取り付けるために奔走することになった。
■国民民主と維新“両にらみ”で協議
衆院選で大きく議席を伸ばした国民民主党の“看板政策”である「103万円の壁見直し」を取り入れ、日本維新の会とは「教育無償化についての協議開始」で合意。野党2党の賛成を取り付けたことで、何とか補正予算の成立にこぎつけた。 だが、2025年の通常国会では野党から本予算案の賛成を取り付けるメドや道筋は立っていない。国民民主は103万円の壁を「178万円」にすることを求めて、自民・公明を引き続き揺さぶり続けている。また維新も党内が一枚岩ではなく、教育無償化の協議を通じて与党との距離が近づくことへの反発が出ている。 夏には参議院選挙を控える中、国民民主・維新とともに与党に接近し過ぎることは選挙にマイナスとなりかねず、予算賛成へのハードルは高いと言わざるを得ない。 仮に政府・与党が予算を成立させられないと新年度から政策が実行できなくなり、政府の機能が停止するおそれもある。そのため、政府・与党内からは「予算の成立と引き換えに、石破首相は退陣に追い込まれるのではないか」との見方も出ている。