加部究のフットボール見聞録「重要な意味を持つ中村憲剛の“全盛での幕引き”」
40歳の誕生日にピッチに立った中村は明らかにチームの支柱だった
11月1日に今季限りでの現役引退を発表した中村憲剛。その前日のFC東京戦では決勝弾と、充実のプレーを披露していた。(C)SOCCER DIGEST
中村憲剛に完全に裏を取られた。日曜の午後、知人から「引退だって。悲しいね」と連絡が入ったが、こちらはフットサルのプレー中で「どうせガセでしょ」と歯牙にもかけなかった。なにしろ前夜のFC東京戦で今まさに全盛とさえ思わせるキレのある動きを見せ、リモート会見では「まだまだここから頑張ります」と話している。それから1日も経たないうちに、鮮やかに切り返された。 実は今年の川崎の充実ぶりを見る度に、中村の完全復活は難しいかもしれないと感じ始めていた。クラブのレジェンドなので試合には戻るだろうが、それはきっと自身の考える復活ではない。8月末の清水戦でいきなり復帰戦ゴールは決めたが、まだ守備は試運転段階の様子だった。もちろんそんなことは当の本人が一番分かっていたようで「ただ戻るのではなく、今日をスタートにしないとレギュラー争いのテーブルに乗れない危機感はある」と語っている。 ところが復
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